17話 ページ17
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会いたい、会いたくない、の矛盾した気持ちが心を渦巻くこと数日。
気持ちの整理がつかない私を時間は待ってはくれず、あっという間にその日はやってきた。
この間と同じような香ばしい匂いに包まれゾムくんの後をついて賑わう席に辿り着き、トントンくんはまだ来ていませんように、と謎の願掛けをしながら顔を上げた私は、お店の熱気で火照った頬がサーっと冷めていく感覚がした。
「Aちゃんどうしたん？こっちおいでや」
久しぶりに会った大先生の声にハッと我に返り、慌てて大先生の隣に腰を下ろした。
「え〜？Aそこでよかったん？」
「ゾムさん！？」
願掛けの甲斐も虚しく先に座っていたトントンくんをチラリと見ながらそう言うゾムくんと、それにすかさず突っ込む大先生。
だけど、そんなやり取りを見てニコニコと笑っている一人の人に、私は店の温度反してダラダラと冷汗が止まらなかった。
「葵ちゃんもわろてるやん！？2人とも酷いわ〜」
″葵ちゃん″と呼ばれたその人は、ここ数日頭から消えずにいたあの時と同じように髪を耳にかけ、クスリと笑った。
「ふふ……だって、みんな面白い人ばっかりで」
「Aもおもろいやつやねんで。仲良うしたってよ」
そんなゾムくんの言葉に私は思わず俊敏に彼を2度見してしまい、ゾムくんに不思議そうな顔をされる。
「Aちゃん…ていうんだ。初めまして、葵です」
よろしくね、と大きな瞳に射抜かれ、ぴしりと固まってしまう。
よろしくできる自信が無い、なんて性格が悪いだろうか。葵さんの性格が良すぎるせいでそう思うだけだろうか。
葵さんの隣に座るトントンくんが曖昧に笑う私をチラリと見た。
「Aちゃん？……具合悪いんか？」
「………っあ、いや！全然、」
心配そうに尋ねるトントンくんに目を逸らしつつ、美人だったので見とれてました、とあながち嘘でもない言い逃れをヘラりと笑って言えば、私の隣から「Aちゃんも俺らと同じやん」と大先生の声がした。
その後、当然普段通り話せるわけもなく、作り笑いを貼り付けて絵になる2人から目を背け続け、なんとかこの場を乗り切ろうとする焦りからかお酒のペースもいつもの倍早く進んだ。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
