16話 ページ16
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気づけばそれから数日経ったというのに、私は未だぐるぐると考え込んでいた。
___否、落ち込んでいた。これは私も知っている感情で、単純に私は悲しかった。
黒く渦巻いた感情の正体は、ただ″悲しい、辛い″という至極簡単に説明のつくものだった。
トントンくんに彼女は居ない、といつかゾムくんが言っていたから彼女では無いのかもしれないけれど、単純に彼のパーソナルスペースに女の人がいる、という事実はこれ程簡単に私を酷く落ち込ませた。
その落ち込みっぷりは他の人の目から見ても顕著だったようで、今こうしてお昼を食べている隣のゾムくんも、箸を止めて珍しく心配そうに私を見ていた。
「A、どうしてん？最近おかしいで、」
ゾムくんの目の前にはいつものラーメン。そして机につっ伏する私。大好きなラーメンを前にしても、なんだか食欲も湧かないのだった。
「ちょっと……ダイエットしてて、」
「え、そうやったん？珍しいやん」
「そう……だから、食事制限が大変でね」
「あーなるほどな、だから元気なかってんな」
納得したように頷くゾムくんに、嘘をついた事を心の中で謝りつつ、曖昧に笑う。
それならええけど、と再び箸を動かし始めたゾムくんは、ふと思い出したように口を開いた。
「せや。最近Aが元気無かったから、またみんなで飲み行こうって計画しててん。こないだの合コンのやつらで」
「え……そうだったの？なんか気使わせちゃって…」
「気にすんな。それ口実に飲みたいだけやから、俺ら」
冗談ぽくそう言うゾムくんだけど、実際本当に心配しててくれたのが何となく伝わりほっこりした。
だけど、この間のメンバーと言えば、件のトントンくんもいるわけで。
会いたくないわけじゃない。遠目で見る分には問題ない。けど、面と向かって話すとなるとどうしても感情が顔に出てしまいそうで、普段通りでいられる自信がなったのだ。
「来るやろ？トントンもおんで？」
ニヤニヤとこちらを見るゾムくん。
トントンくんをタイプだと言ってしまったあの日からそのネタでいじられっぱなしだった。嘘を言ったわけじゃないし別にいいのだけど、今だけは心中穏やかじゃないので勘弁してほしい。
トントンくんの名前で釣られたわけじゃないけれど、折角お誘い頂いたので有難く了承して、近々トントンくんに会わなければいけない心の準備に画策した。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
