12話 ページ12
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数日後。
いつも通りの学食で、いつも通りのラーメンを楽しんでいれば、ゾムくんは至極真面目な顔でビシッと私に箸先を向けた。
「それって脈アリなんちゃうん？」
「……脈？」
もぐもぐと口を動かしながら首を傾げる。
先日の合コンの帰り道、トントンくんと交わした約束の内容をゾムくんに報告した私は、「お前やるやん」との総評を頂いた後、冒頭の言葉に戻るわけである。
「言っとくけど中々ないで？トントンが女を飯に誘うとか」
彼女と別れて以来見てへんわ、と。
それより私はトントンくんの元カノさんて一体どんな人なんだろう、という全く関係のない疑問に頭を埋め尽くされているのだけど。
とはいえ先にご飯に誘ったのは私だし、トントンくんはそれを思い出して言ってくれたのかもしれない。言うなれば社交辞令の一環として。
けれど私はメルヘン思考。手を掴まれ『2人で』を強調されて誘われた事に、どうしても社交辞令以上の期待をしてしまうのだ。
「で？いつ行くん？」
「え？決まってない…」
「えっ？何してんねん」
リズム良く怒られ縮こまる。誘われた事実に浮かれて考えてませんでした、と正直に言えば、お前いくつなん？とまたお子ちゃま扱いをされる。
「連絡先は？持っとんのやろ？」
「……持ってない！そういえば知らない！」
「アホなん？そんなもん出会った瞬間聞いとくもんやで」
そういえばゾムくんも、私に出会った瞬間に連絡先を聞いてきたなぁと思いを馳せ、それじゃあナンパじゃん！と我に返る。
そもそも連絡先ってどういうタイミングで聞けばいいんだろう、こっちから聞いても不自然じゃないだろうか。でもあんまりガツガツしてるのもはしたないかな……。
「…あぁ、難しい！ゾムくん、やっぱりゾムくんて凄いね」
「せやろ？苦労してんねんで、俺も」
チラリと意味ありげにこちらを窺うゾムくんに、その説はすみませんでした、と言えばククッと笑われる。
その後、とにかく連絡先を聞け、とゾムくんに諭され大人しく了承。
あの日から何度か学校には来ているけれど、トントンくんは見かけなかった。最も、今までもそうばったり会ったこともなかったから、運命というのは中々どうして思い通りにはいかないな、とため息をついた。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
