45話 ページ46
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それから2人並んで駅へと歩きつつ、ゾムくんはポツポツと話し始める。
「俺さ、心と身体って割り切れるもんやと思っててんけど、普通に無理やったわ」
「へぇ、意外」
「はぁ？失礼ちゃう？…ていうか、1回抱いた時点で湧くもん、独占欲」
結果的に私もゾムくんも、付き合ってるフリなんてできるほど器用な人間じゃ無かったということ。きっと私は最初にゾムくんの体温を知った時点でもう彼を意識し始めていたし、それはゾムくんも同じだったようで。
絡めた指先をキュッと握られたと思ったら、「俺めっちゃダサいねんな、」と先程と同じ言葉が飛んでくる。
「俺がお前の事好きにならんて突き放したくせに、大先生と仲良うしとるん見て死ぬほど妬いた」
「超かっこよかったよ、鬱先輩」
「喧嘩売っとる？殺 すわ」
物騒なことを言いながらも弱々しくため息をついたゾムくんは、チラリと私を見た。
「でもしゃーないよな、俺助けたらんかったし」
未だ負い目を感じているのか、「ごめんな」と申し訳なさそうに謝るゾムくんに首を振った。
「だって、ゾムくんにバレたらもう私と一緒にいてくれなくなると思って」
「そりゃ、……まぁせやな…」
苦虫を噛み潰したような表情のゾムくんは曖昧にお茶を濁す。
そして徐に足を止め、再度私に向き直った。
「あのさ、A」
「うん？」
「俺、今度こういう事あったらちゃんと守ったる」
「……うん、」
「ちゃんとAのこと好きやねん。……もう1回、俺の彼女なってくれへん？」
切なく儚い目は、いつしか意思の籠った瞳に変わっていた。それは、私を真っ直ぐ想うゾムくんの気持ちだった。
「フリじゃなくて？」
「もうそれはええねん、Aが隣おらんの嫌や」
あかん？と伺うように覗き込まれる瞳を見つめ返す。
「………私ももう、ゾムくんの彼女にしかなれない」
途端、目を輝かせた彼に力いっぱい抱き締められ、「もう離さへん」なんて初めての甘い言葉に少し笑って頷いた。
【その偽りさえも、愛おしい】
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
