43話 ページ44
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何となくデジャヴ感のあるその感覚に後ろを振り返ってその顔を見上げれば、
「先輩すんません、コイツ俺のなんすわ」
「はぁ？別れてからの束縛嫌われるよー」
「お気遣いどうも。けど俺先輩にコイツ渡す気無いんで」
じゃそういうことで、とさも当たり前のように私の手を引いてその場を立ち去るゾムくんの意図がまるで読み取れず、先輩に絡まれていた今より大困惑なこの流れに私の頭はぐちゃぐちゃだった。
店の前の喧騒も聞こえなくなる位置に差し掛かった時、不意に引いていた手を離される。
前を歩くゾムくんは徐にくるりと私を振り返り、肩を落として盛大にため息を着いた。
「あ、あの、ゾムくん、」
「………俺だっさ。ごめんな連れ出してもうて｣
「ううん、助かった。ありがとう」
ゾムくんが助け舟を出してくれなかったら今頃どうなっていたことか。まぁその助けに出された舟に乗っていた言葉に私の心中穏やかではないが。
しばらくお互い静かな路地で無言で、その沈黙に耐えきれなくなったのかゾムくんは「あのさ」と口を開く。
「A、好きなやつできたん？」
またその話？と本日二度目のそんな話題に顔を顰めかけたけれど、紛れも無く本人が目の前にいるのにそんな顔もできず。かと言って本人の前で「できたよ」というのもそれはそれで嫌。
そんな私が一瞬で悩み尽くしたベストな回答は、
「できた……って言ったら、どうします？」
謎に言葉尻が敬語になったのは反応を伺っていたからで、そんな浅はかな私にゾムくんの顔にはサッと陰りが差した。
「それって大先生のこと？」
「ううん。違う人」
「へー……そうなんや」
眉を寄せるゾムくん。なかなか本命ができないと嘆いていた以前の私と比べ驚いているようだった。
そして意を決したような面持ちで「じゃあ言うけど、」と私を見据える。
「俺もおんねん、好きな女」
「………、へえ」
「なぁ、今どう思った？嫌やった？」
「…何？嘘なの？」
「嘘ちゃうわ、マジでおんねん。だから、今Aの反応見とるんやけど」
わざわざご報告どうも、と言わなきゃいけないだろうか。私を好きにならないゾムくんに、「でも私は貴方が好きなんですけど」とせめてもの負け惜しみを言うくらいなら許されるだろうか。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
