31話 ページ32
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結局、ゾムくんは私を問い詰めることはしなかった。
何度電話をかけても繋がらなかったことも、「すぐ行く」と言った私が2時間弱も遅れて連絡を返したことも、何故鬱先輩と隠れて会っていたのかも。
全てそれが「興味が無い」から暗に聞くことはしなかったのか、私が口を開く気が無いと判断したのか、私にはわからない。
ただあの日から、ゾムくんは少しづつ変わっていた。
「A、それあとどんだけかかるん」
「……えーと、…2時間くらい」
「嘘やろ…まぁええわ、半分貸して」
え、と反論する間もなく奪い取られる書類の束を目で追いつつ、後ろのデスクに戻っていくゾムくんを呆然と眺める。
今までテコでも手伝ってくれなかったゾムくんは、私の残業分の仕事を手伝うようになった。
急になんで？と思っていたのは私だけではなく、私に仕事を押し付ける先輩たちもゾムくん変化を悟ったらしく、特に逆恨みの女の先輩は私に書類を押し付けることは段々減っていた。
「なぁこれ、ここの数値間違ってんで」
「え？……あ、ほんとだ」
「またぼーっとしとんの？」
それに比例するよう、私に心配そうに向けられるその優しい目を見ることは段々増えていて、目に見えるその変化に私の心は置いてけぼりを食らっていた。要するに、本当の意味で優しいゾムくんに慣れていないのだ。
その瞳の奥に偽りなど見えなくて、私はただ困惑していた。
流石に気になってゾムくんに尋ねたこともある。「最近どうして残業に付き合ってくれるの？」と。
「………んー、なんでやろな？」
含み笑いで誤魔化され、モヤッとする胸の内。でも次の瞬間には、
「あれやん、また2時間も待たされるんだるいもん。こないだみたいに」
「そ、それは！本当ごめんて…」
なんて、冗談交じりにそれとなくはぐらかされるのだ。ちなみに、ゾムくんは根に持つタイプだった。
ゾムくんが残業に付き合ってくれるおかげで、それまで1人きりだったオフィスに2人で残るようになった。
それ故に、1人きりで仕事をこなす私の元へ足繁く通ってくれていた鬱先輩は、残業中私の所へ来ることはパタリと無くなった。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
