97話 「温もり」 ページ9
「はぁ……。今日は何だか疲れましたね」
夜。
既に皆帰っており、ココドラもベッド付近で眠ってしまっている。
その一室で、私はダイゴと二人でベッドに腰掛け、お互い壁を見つめたまま話をしていた。
「確かに」
ダイゴが苦笑しながら、そう答えた後、でも……と言葉を繋げる。
「楽しかったね」
優しく微笑んだダイゴの方を私は向き、口元を緩めて頷いた。
「はい……凄く！ 皆のおかげで気持ちも落ち着けた気がしますし」
私の手に大切に握られたバッジケースへとゆっくり視線を移動させ、今日皆が励ましてくれた言葉を思い出す。
それだけで、胸が温かい。
「……私は……そう簡単には負けませんよ」
「僕だって……そう簡単には勝ちを譲らないよ」
その言葉を聞いて、これだ……と思った。
私がずっと求めていた大切な物は、この人が持っている。
本気でぶつかり合える相手であり、一緒に居て楽しい相手であり、……一番愛しい相手。
明日その人と……ダイゴと私はきっと勝負をする。
四天王もきっと手強いけど、それでも勝ち進んでみせる。
ダイゴとバトルがしたいから。
旅に出た自分のいちばん最初の夢を、叶えたいから。
時刻はもう、十一時過ぎ。
風が少し吹いているのか、窓がカタカタと音を立てている。
「寝ようか」
ダイゴのその声に頷き、私はケースを片付けてベッドに入り込んだ。
すぐ隣には、勿論ダイゴ。
「…………」
少し……いや、本音を言えば結構恥ずかしいけど、私はその温かな手を少し握った。
顔が熱いのは、矢張り二年前と同じで慣れていない証拠だろう。
「Aちゃん……」
つい恥ずかしくてそっぽを向いた所為で、相手がどんな反応を見せたのかは分からなかったけど、これだけは分かる。
いつもダイゴは……優しくて温かなその手で握り返してくれる。
「……おやすみなさい」
「おやすみ」
違う所を向いたまま言えば、小さく、ふ……と笑う声の後にそう返された。
ほんの少し経って電気が消えて、カーテンからもれ出す月の光だけが、部屋に光を入れ込む。
しっかりとダイゴの顔を見ることは出来なかったものの、手の温もりが……彼が自分のすぐ近くに居てくれていることを、しっかりと証明してくれた……。
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まち - 更新楽しみにしています！！！ (2022年6月24日 0時) (
レス) @page25 id: 423da6b6f9 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - 姫奈さん» 私もイラストの素晴らしさにふぁーっと奇声を発しながら部屋中周りまくってます。素晴らしすぎるイラスト、本当にありがとうございます！作品の続き、出来る限り早く更新しますので、是非見ていって下さい！ (2017年12月4日 10時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
姫奈(プロフ) - あんまり褒められたので嬉しいのと恥ずかしいので部屋の中をのたうち回ってしまいました。私のイラストなんかで良ければお好きなだけ眺めてください(笑)・・・主人公ちゃんがどうカゲツさんに仕掛けるのか，ドキドキワクワクしながら更新楽しみに待ってます！ (2017年12月3日 21時) (レス) id: c18e747859 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - 姫奈さん» 夢主ちゃん、可愛いながらも綺麗に書いて頂けて妄s……想像が確かにどんどん膨らんできますね！素晴らし過ぎるイラストありがとうございます！それでは、次の更新にて一緒に載せさせて頂きます！ (2017年11月22日 3時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
姫奈(プロフ) - 文章 野良さん» ふふふ，やっぱり日常で正解でした？(笑)妄そ・・・コホン，想像膨らみますよね〜！いえいえこちらこそ，そんなにほめていただきありがとうございます。喜んでもらえて何よりです。載せてだいじょぶですよ！画質悪くてすみません・・・ (2017年11月21日 20時) (レス) id: c18e747859 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文章 野良 | 作成日時：2017年2月6日 20時
