「月も綺麗やで」 ページ39
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「…あれ、Aさんって意外とロマンチスト？」
「…その調子やと、やっぱり適当に相槌打ってたんや」
「いやーちょっと待って、はず、ださ、」
ワンテンポどころじゃないくらい遅れてはいるけど、“星が綺麗ですね”の意味に気付けたってことは案外小島さんもロマンチストなんかな。ちょっと意外やけど、それを知ってまた少し親近感が湧いてくる。
何かぶつぶつ言ってるのも可愛い。
…異性に“可愛い”って感じたら、それはもう沼への入口やって誰かが言ってたな。こういうことなんかな…。
「でも、まだ返事してないからセーフやんな」
「…は？」
かっちーん。前言撤回。
無かったことに、気づかんかったことにしようとしてるやん。結構ぼそぼそ喋っとったのにここだけはっきりと聞こえたわ。私って地獄耳やったんや、自分でも初めて自覚したわ。
やっぱり星は届かんところにあるから綺麗なんやな、そういうことなんやろ？小島さん。
「あっ、ごめん。違うんよ、伝えてくれたんは嬉しいんよ。でもさ、その」
「早く、手短に言って」
「いや…、そういうのは、男から言いたいもんやねん。気持ちが一緒なら、なおさらかっこ悪いやん、俺」
…前言撤回を、前言撤回させてもらいます。
それはいくらなんでも、経験無くても分かっちゃうで？期待だけさせてる訳ではない、よな？
小島さん、信じてもええの？
「セーフってことに、してあげます」
そう言うと、小島さんは私との間に空いたスペースを一気に詰めて、一言だけ「好き」と呟く。その後、お互いに顔を上げて視線を合わせると、小島さんは続けてこう言った。
「まだお互い知らんことばっかやけど、それでも1番近くでAさんを幸せにしたいって思ってる。
好きです、付き合ってください」
近距離で見た小島さんの顔は凄く綺麗やったけど、それ以上に嬉しくて、目の前の人が愛おしくて。
私から出た「よろしくお願いします」という声は、ここ数年で1番か細い声やった。
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スマホを見ればもうこの公園に30分くらい居座っちゃってるみたいで、そろそろ帰ろうかと席を立つ。
また変わらない距離感で歩き始めたけど、さっきと違うことはいっぱい。
互いに指を絡めてることと、互いの呼び方と、私がタメになったことと、2人の関係性。
自分の住むアパートを見せるのは恥ずかしかったけど、それ以上に好きな人が送ってくれたことが嬉しかった。
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もやし(プロフ) - Sara_nさん» 返信遅くなりすみません。一通り確認してみたのですが、私の端末では最後まで名前変換が対応していたので改善が出来ず……申し訳ないです。過去の更新の仕方に何か問題があったのかと思います。ご指摘ありがとうございました。 (2022年11月27日 16時) (
レス) id: d1393d657d (このIDを非表示/違反報告)
Sara_n(プロフ) - 途中から名前変換が対応してません… (2022年11月19日 8時) (レス) @page28 id: 90a98b993e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もやし | 作成日時：2022年9月3日 2時
