【男主】疲れるくらい愛されてます。 (ページ9)

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佐野side

Aくん1人で載った雑誌に書かれてた“理想のデートプランは？”という質問を何周も読んだ俺は、LINEで「俺の家でやりたいので、Aくんの最寄り駅まで迎えに行きます」と送った。

すると、深夜に「ほんま！？まさやのお家とお迎え楽しみにしてるなー！」と返ってきた。

少しでも長く一緒にいたいという気持ちから集合時間を午前中に設定してしまったが、それもAくんはOKしてくれた。

そして、当日。

佐野「あ、Aくん！こっちです！」

『おはようまさや、おくれてごめんなあ…？』

佐野「いやいや、やっぱちょっと集合時間早すぎましたよね」

『そんなことないで！
おれがきのうもうちょいはやくねれればなあ…』

家を出なければいけない時間に間に合わないくらいぐっすりと寝ていたのか、Aくんから出てくる言葉が全てひらがなで聞こえてくるくらいふわふわとした喋り方だった。

楽屋とか遠征先でのホテルとかでしか聞いたことなかったから、それ以外の場所で聞くことに若干の違和感を覚えつつ、優越感とAくんの彼女感でやられてしまいそうだった。

「かわいーーー！すきーーーー！」と叫んでやりたい気持ちを抑えながら車の助手席のドアを開けると、これまたふわふわした声で「おねがいします」なんて言うもんやから、嬉しさが爆発しつつ1日2人でいて大丈夫だろうかという不安も出てきた。

『ふは、なんかデートみたいやなあ。

さっき、紳士みたいでちょっとキュンとしたかも』

俺が運転席に座ると、Aくんは水を飲んだ後にとんでもない爆弾発言をした。

佐野「寝ぼけたこと言わんといて、俺の家着くまでにはそのぽやぽやした頭どうにかしてください」

『えっ、やっぱりねぐせなおってなかった…？』

佐野「あーもう、そういうことやなくて！」

この会話、ほんまにおうちデートみたいやんけ。

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