【男主】疲れるくらい愛されてます。 (ページ8)

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雑誌を見た佐野ページ8

佐野side

『えっ、俺らが…？』

佐野「新曲の作詞作曲、ですか？」

Aくんと一緒に呼び出されて何を言われるんかビクビクしながらあらかじめ伝えられた部屋へ。

そこで伝えられたのは、“Aくん作詞、俺が作曲を担当して1つの曲を作ってほしい”ということだった。

そして、このことは曲が完成してメンバーに披露するまで事務所と2人だけの秘密であるということも加えて説明された。

どうやら、披露のタイミングで2人で作ったことをバラした後のメンバーの様子をYouTubeか何かで撮影しておきたいんだとか。

事務所が絡むとはいえ、他の5人が知らない秘密を俺とAくんで共有出来るのが嬉しかった。

『晶哉が作曲なのは分かるけど、なんで理系の人間に作詞なんて頼むんやろ…？

俺不安やわあ、出来るかなあちゃんと』

佐野「決まってしまったことですし、出来る限りサポートするんで一緒に頑張りましょ」

『心強いわ！うん、頑張ろな』

俺にはAくんが作詞担当に選ばれた理由がなんとなく分かる。敢えて本人には言わんけど。

Aくんが紡ぐ言葉って、1つ1つに“Aくんらしい雰囲気”を纏ってる気がすんねん。

自分でも笑っちゃうくらい上手く言えへんけど。

インタビュー担当の方の目を見ながらゆっくりと自分なりの言い方で伝える気持ちや考えだったり、番組の恋愛企画で耳を赤くしながら放つ言葉だったり。

Aくんが紡ぐ言葉は、いつだってすーっと頭の中に入ってきて、それで俺の気持ちが癒されたりする。

佐野「じゃあ、来週どこか空いてますか？1回メロと歌詞、合わせてみません？」

『来週は結構研究室に籠る日が多いねんけど…

あっ、この日だったら空いてんで！晶哉もいけそう？』

佐野「俺はいけますけど、やっぱり貴重な休日を貰う訳には…再来週にずらしますか」

『俺が会いたい！って言っても、断る？』

佐野「…断らん」

『なあ、もっと可愛い言い方しようや！

あ、そろそろ撮影の出番やし小島くん探さな。詳しいことはまたLINEで話そな！』

“会いたい”の言葉をずっとリフレインしたまま、1人で頭を抱える。

新曲のテーマは“恋愛”みたいやし、絶対この言葉入れてもらお。

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