守り屋。【さとみ】

13.忘れもの(さとみside) ページ16

先程の場所から解散してメンバーと一緒に徒歩で帰る。


今日はそういう気分らしい。


あの男性が捕まえなかったら俺もしかしたら死んでた？


そう考えると寒気がした。


メンバーと会話をしていると鍵の話になった。


ジェルが家の中で鍵を無くしたというどうでもいい話だった。


「皆んなも気を付けろよ〜。」


そうジェルが言った。


少し不安になったので自分も鍵があるか確認する。


マジか…無い。鍵…


さっきの所に行った時、丁度鍵を手に持っていて。


邪魔だと思い近くにあった机の上に置いたのを忘れ
て、置いてきてしまったのだろう。


みんなにバレるのは恥ずかしい。



「みんなごめん、俺ちょっと別の用事あったの思い出した！だから先に行くね！」



そう言って皆んなから逃げるようにもと来た道を戻った。



後ろから
「え？さとみくん？！」
なんて声が聞こえるが無視をする。



先程の体育館に着き、中に入ろうとする。



すると、中から声が聞こえてきた。




「聞いてたから分かってると思うけど…………」

「当日………」

「何があっても守りぬく。それが俺らの………ルールだ」





あまりよく聞こえない。



何があっても守り抜く？

俺らのルール…？






「分かってる…………………この女」






さっきは居なかったはずの別の女の声が聞こえた。




この声どっかで………




そう思っていると、中での会話が止まった。




気付かれたか…？






「誰かいるの？」





声をかけられる。



これはマズい。



隠れなきゃ。

そう思った時にはもう遅かった。




声をかけられてすぐ女の人が中から出てくる。



全身黒の服でコーディネートされて黒い帽子に黒いマスク。



何故か殺 されるかもしれない。そんな思いが頭の中でグルグル回る。




謎の恐怖に足が竦んでしまった。




彼女が振り向いてすぐこちらに気付かれてしまった。





「ご、ごめんなさい。聞くつもりは無くて…」





俺がそう言うと彼女は目を見開いてこちらを見ていた。

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