分霊箱を求めて ページ31
、
ハリーはコップに水を一杯すくい、それをダンブルドア先生の元へと持っていった。先生はそれをごくんと飲み干す。先生が飲み干すとハリーは、また懸命に水を汲む。
「先生、しっかりしてください……先生………」
飲むたびに苦しげに唸る先生に、私は声をかける。
ハリーが持ってきた水を見て、ダンブルドア先生は「よせ、よせ」と言い始めた。
「飲み続けなきゃ！ そう仰っていたでしょう……！」
ハリーはまたその水を先生の口元へ運ぶ。私は先生の片手を固く握りしめ、もう片方の手で先生の背中を支えた。そうした中で――先生が苦しむ姿を見て心を痛めつけられながらも――ハリーと私はひたすら、先生の命令通り、先生にその水を飲ませた。
「よせぇ………っ」
「すぐに終わります……！ でも、その為には飲み続けないと……！」
「先生、あと少しです！ 先生……！」
先生の弱々しい声がする。私達は感情を押し殺して、ひたすら、ひたすら、先生に水を飲ませた。
「これ以上、は……っ」
「すみません……っ」
「頼む……っ！ 殺せ、殺してくれ！」
「だめです……！ 先生、飲んでください……！」
無理矢理に先生の口元へ水を押し付け、私達は水を飲ませ続ける。
「あと、一口だけ！ あと一口だけです！！」
ハリーがそう言っても、先生は首を横に振った。
私は先生の手を更に固く握る。
「あとは、言うとおりにしますから……！ だから、飲んでください……あと一口だけです、先生、先生…………」
「本当です……お願いです………」
「先生……っ」
私達が泣きながらに懸命に……そう言うと、先生は小さく口を開いた。
そして、その最後の一口を飲み干した。
すると先生は息を吐き出して、私とハリーの名を呼んだ。
「水を……」
先生が掠れた声でそう言った。
「水……！」
私は立ち上がって、ハリーからコップを奪うように受け取ると、先程まで毒水が入っていた場所からヴォルデモートの分霊箱を取って、それをハリーに渡し、杖を持って呪文を唱える。
ハリーがその分霊箱を先生に見せて、「先生、やりましたよ！」と呼びかけた。
「アクアメンディ」
そう言って呪文を唱えると、そこに水が溢れだす。私はそれをコップですくい上げるが、なぜかコップには水が入らなかった。
私は湖の方を見た。そしてその方向へ近づき、その水をすくいあげた。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
み(プロフ) - プラハさん» わ〜！！！本当だ…間違えてました…スプラウト先生じゃなくてスラグホーン先生でしたね…ご指摘ありがとうございます！！助かりました……すぐに訂正します〜！本当にありがとうございます…！ (2019年8月18日 20時) (
レス) id: 5530baedc0 (このIDを非表示/違反報告)
プラハ(プロフ) - 3番目？ですかね？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: 99f69ecacf (このIDを非表示/違反報告)
プラハ(プロフ) - スプラウト先生の下りなんですが(；・ω・) (2019年8月18日 20時) (レス) id: 99f69ecacf (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - プラハさん» わわ、本当ですか…？ご指摘ありがとうございます。因みにどのページだったかって分かりますでしょうか……申し訳ないです……間違っていればすぐに訂正させてもらいます！m(*_ _)m (2019年8月18日 20時) (レス) id: 5530baedc0 (このIDを非表示/違反報告)
プラハ(プロフ) - すみません、私の見間違いかわからないんですが「波乱のなかで」の先生の名前が違ったように見えたのたんですが、(・・;) 間違っていなかったら私の見間違いです。すみません。 (2019年8月18日 20時) (レス) id: 99f69ecacf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：み | 作成日時：2019年6月23日 21時
