1歩ずつ

15渋谷side ページ15

収録が終わって何を話すわけでもなくヨコと同じ歩数で歩いて楽屋へ戻る








十数年一緒におるからこそ何を話すとかもなくて
大体分かり合えてる気がした





でも今日は違って







「なぁ、すばる」








「なんや」






急に名前を呼ばれて動揺する







「俺なぁほんまは未だにどうしたらええんか分からんねん」








突然すぎてヨコを見た






ヨコは悲しそうな顔して遠くを見てる







「そんなん俺もや」







最年長やからこそしっかりしなあかんっていうプライドがあるヨコやけど頭の中は散らかりっぱなしでヤスのことを受け止めきれてないねんな







ほんまに一瞬しか話してないけどこの一瞬だけでもお互いの気持ちが重なった気がした

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