凪いだ心に (ページ43)

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それから何日か経ち、いよいよ文化祭当日。

私は皆の作った作品をぼーっと眺めながら今日のことについて考える。

…姉さん、ミスコン出るから…見に行きたいな。

高校最後のミスコン。

今までは影でコソコソと見ていたけど、今回はいい席を取ってみようかな。

「凪先輩コレどうでしょう！？」

突然聞こえた元気な声。
振り向くとそこにはいつもの格好をした発目ちゃん。

「…スコープは外した方がいいんじゃないかな」

そう言うと渋々と言った様子で頭につけていたスコープを外した。

「何で先輩はプレゼンしないんですか？」

「あぁ…私は…」

「波動は大勢の前だと吃る(どもる)からな。去年は酷かったな。クケケ」

「せ、先生…！！」

ちゃかしてくる先生を止めようとしたけど無理だと諦めて工房を出た。

私の作った物も一応ある。

発目ちゃんに半強制的に作らされたものだけど、やっぱり楽しかった。

誰かの目に止まるといいなぁ。

プレゼンはできないけど…。

外に出ると所狭しと屋台が並んでいる。

王道のものもあれば、おかしなものまで。

途中で焼きそばを買い、どこか座れる場所はないかと
思い探しているとふと白い髪が目についた。

人が沢山流れているところで一人だけ小さな女の子が立ち止まっている。

「…あれ、エリちゃん…？」