【キメツ学園】琥珀色の花束。【煉獄杏寿郎】

動悸 ページ6

『失礼します、黒条Aです』


職員室の扉をノックし開く、中に居る教員数人が何故か私を見てそわそわとして居る

……？


「それじゃAちゃん、おばさん校長とお話があるからAちゃんは校内でも見てきなさいな」

『いいのですか？おばさま』

「いいのよぉ、行ってらっしゃい」

『はい、行ってきます』


おばさまの言葉に甘え、私は職員室を出た……キメツ学園は中高一貫だから学園自体が大きい、早めに回ろう

私は早速一番上の階から見ていくことにした、多分自分の通うであろうクラスもあることだし

階段をいくつか上り、3年の教室があるところまでやって来た

部活中なのだから廊下はシーンと静まり帰っている……遠くから吹奏楽の音がほんのりと聞こえるが

教室一つ一つを覗きながら進む、ふと遠くに人が居るのが見えた…生徒かしら？

挨拶しないのもどうかと思ったものの、知らない人に言うのは少し……

そんな思いで、結局横を通りすぎることにした

……しかし


「A、さん？」

『え』


手首を捕まれた、振り返ると私と同様何故かその人まで目を見開いていた

驚くばかりで何の反応もない彼に私がしびれを切らして声をかけた


『……？あの、大丈夫ですか』


その瞬間その人は泣き出してしまった

……なんなのかしら、心臓がずっとどくんどくんって……動悸？

この人を見てると心臓がきゅっと掴まれてるみたい……泣きたくなってしまうのは何故？

彼の名は煉獄杏寿郎→←予兆

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