【薄桜鬼】彼岸花に埋もれて。

第20話 ページ22

薄い布団は慣れないけれど、目を閉じれば

緊張が解け、一気に眠りが襲ってくる


あぁ……どうかこれは夢じゃありませんように

もう、あそこ(現代)には戻りたくない


コロン、と寝返りをうったのを最後に

プツリと意識が途切れた









「おはよう、起きてる？」


意識が浮上し、耳に甘めの声が何の違和感もなく滑り込んでくる


『……ん、はいって…いーよ』

「ほら、起き……て」


沖田はピタリと動きを止めた

布団は無く、長めのワイシャツからギリギリ下着が見えていないものの、その滑らかで細く色白の足が覗き、胸元も開いていて見るからに柔らかそうな胸と谷間が覗く


『……んー、おはよう』


内心乱れる沖田などつゆ知らず、のそのそと起き上がり、ビイドロ玉のような寝ぼけ眼でじっと沖田を見つめるAはとことん寝起きが悪い

ふらふらと歩く彼女は沖田に倒れ込む


「ちょっと！？」

『んー……いいにおい』


彼女はふにやりと笑い、グリグリと沖田の首元に顔を埋める

沖田は顔を赤らめ、なんとか冷まそうとするも

それを許さないとばかりに甘えてくる彼女に、沖田は最早どうもできなかった



その数分後、起こしに来た(執事)に見つかり

その殺気で目が覚めたAが照れ

なんとも言えない空間が流れたのはまた別の話

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