みにまむ ３２ ページ33
ベッドから身体を起こす。
もう朝なんだ。昨日は体調が悪かったし、殺されかけたから生きた心地はあまりしなかった。
ま、まぁ心操君はツンデレって位置づけでもういいや
「あれ…？上鳴君…どこ行ったんだろ」
いつも上鳴君が寝ていた位置に上鳴君がいない。
やっぱり身体が大きくなってくるから狭かったのかな？
「上鳴くーん！？かみなぁりくぅーん！！！？？」
私としてはかなり珍しい大声で彼を呼ぶが、返事はどこからも聞こえてこない。
もしかして、家出！！？あんな身体で外に出たら誰に絡まれるか分かったもんじゃない。
「困ったなぁ…きょうは学校だから早く準備しないといけないのに…」
リビングなどを探していた私は自室に戻る為に階段を上る。
「部屋に戻ったらいきなりばぁっ！！ってやってきたりしないかな」
と、私はドアノブを捻る。
見慣れた光景が視界に広がった瞬間、ドアの横から影が飛び出した。
「わあああああああああああ！！！！！」
「ああああ殺されるううううう！！！」
その正体は、昨日に比べると爆発的に成長していた上鳴君だった。
私の腰と同じくらいかな
「A、びっくりしたか！？」
「…っばか！！心配したでしょ！」
「え……あ、ごめん、A」
私が大声で叱ると、年齢の割に幼く萎れた。
「もう、この話は終わり！早く準備して学校行くよ！」
「…おお！」
「おはよーみんな」
「おはよう、A」
教室に入ると、私の机の前に響香ちゃんが立っていた。
柔らかく笑っている響香ちゃんは私の隣にいた上鳴君を見て、目を見開いた。
「上鳴…！！おっきくなったね」
「耳郎の言葉は褒めてるのか？馬鹿にしてるのか？」
「え？打上花火？」
「違う違う」
下から見るか、横から見るかじゃん。
でもよくよく考えたら横から見るのって不可能だよね、人間には。
「Aちゃんおはよー…って上鳴君でかっ！！」
「あー、やっぱその反応されんのな！？」
「おーはよっす上鳴ぃ、噂になってんぞー」
「今日で五日目だろ？一週間で戻るんだったらあと少しだな！」
本日は上鳴君が注目される一日になりそうです。
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
