みにまむ １１ ページ12
「疲れた…爆豪君怖いし切島君硬いし轟君イケメンだし……」
「俺は？」
「ナンパ師」
いつもは一人で歩く帰り道も今日から一週間は上鳴君と一緒だ。
何気なく見つめていた夕焼けも、澄んでいるように見えてしまう。
「晩御飯は何が良い？」
「人間に害の無い食べ物」
「私の家に毒なんて無いよてか料理に入れたら死ぬよ」
「だぁかぁらぁ、アリスの手を煩わせない適当なモノで良いって！」
そういえば朝もそんなこと言われたな。今日は色んなことがあり過ぎて頭がパンクしてしまいそう
「あ、こら！頭の上に乗らないでよ！無駄に運動神経いいな！？」
「いいじゃんいいじゃん！減るもんでも無いだろ」
これも青春だと、解釈しても大丈夫ですか？
「はい！完成しました青椒肉絲！」
「おおお！美味しそう！！でもどうやって食べようか…」
親指姫ならぬ親指タラシの上鳴君には食べるどころか箸を持つことすらままならない。
もうこうなったら手づかみしかないよね笑える←
「方法が見当たらないから手づかみでおｋ？」
「おｋではないけどそれしか方法ないもんな」
上鳴君は手を合わせていただきますと言った。そしてキャベツを片手で掴んで口へ運ぶ。
「すっげー違和感しかねえよこの食事。朝はトーストだったからそんなに変な感じは無かったけど
よくよく考えたら可笑しな体験してるなぁ、俺」
「私より上鳴君の方がリアル不思議の国のアリスだもんね」
上鳴君はちょっと食べ辛そうだったけど、美味しかったらしくぱくぱく食べていた。
そして知らない間に上鳴君は食事を終えていて、キッチンで汚れた手を必死に洗っていた。
「これシンクに落ちたら俺死んだじゃん！個性でなんとかなる問題じゃねーもん…」
「あ、上鳴君の個性ってなんだっけ」
「言ってなかったっけ？俺の個性、帯電なんだ！水の中で使うと俺オワタ」
「それはマズい非常にマズい」
小さい上鳴君は少し困った顔をしたが、その後すぐに大きな笑い声が聞こえた。
釣られ笑いしちゃいそうなくらい可愛くて、面白くて、カッコいい笑い方だった。
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
