みにまむ ４ ページ5
「ま、俺としてはＪＫの部屋にこうして入れてるのは全く問題ないんだけどさぁ……」
「私としては変態さんは帰ってほしいんだけどね？」
「学校どうやって行けばいいんだ？流石に休むのは勿体ないっていうか…」
スルースキルの達人かい。
と、そんなことは置いておこう。確かに学校に行けないのは困った…。私がもしもヒーロー科
だったらましだったかもしれないけれど、生憎普通科。
「…とりあえず支度しようか。」
上鳴君は制服のままだった。下校中に発動しちゃったのかな？
リアル一寸法師になっている彼は不慣れな足取りで私の部屋を歩く。
「リビングにいて？それで着替えるから早く出てって？」
「ちぇ」
「待て、見ようとしていたのか」
私が殴るよ、と一言足して拳を握ったら渋々部屋から出て行った。
「朝ごはん作るけど、食べたいものある？」
「すっげ、なんか夫婦みてえ！」
「話聞いて？お願い」
これが素なのか、キャラに入っているのか。それは私には知り得ないことだけど、とにかくイラっ
とする。マイペース過ぎる。
「ん〜、作ってもらう側がとやかく言うのもアレじゃね？」
「い、言われてみれば」
それならそうと早く言って欲しかったものだ。
「じゃあ、トーストでいいや」
「あ、そういやさ、名前なんつーの？」
「ほんと話聞かねーな」
「そのたまに口悪くなるクセなに？」
「うっさいわ」
元の口が悪かったのか、気が緩むと男勝りな口調になってしまうみたいだ。気を付けなければ。
「有栖Aだよ。気軽にアリスとでも呼んでね」
「アリスね…本当に童話から出てきたみたいだ。お転婆だし」
「その減らず口縫い付けてあげようか」
「悪かったから裁縫針と糸を持ってくるの止めて」
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
