009. ページ10
[雨月Side]
ゆらゆらと揺れる、腕の中にいるお狐様の銀色の髪。
お狐様は私のために道を開けていってくれた。裸木は尚も左右に別れ、一本の長い道を作る。
「すごいでござる。妖術なんて……初めて体験したでござるよ」
「ふふんっ。妾の凄さを今さら思い知ったか！」
にんまりと笑うお狐様に、私もにこりと笑い返して一つ頷いた。
「えぇ。私は、昨夜の桜が忘れられぬでござる。あれは特に素晴らしかった」
「ほう。どのような桜じゃったか？」
「薄紅色の……淡い桜でござる」
と、答えてみて気付いた。
「お狐様は覚えてないのでござるか？」
「そもそも、見えておらぬからのぅ」
「え！？」
見えてない？！
私はとても驚いた。見えぬのならば、どう妖術を魅せている？
驚愕した私に、お狐様はクスクスと笑った。
「妖術とは、人にかけるものじゃからの。妾たち、もののけには見えぬ」
「目に見えないのに、術をかけられるのでござろうか？」
「出来る。まぁ、感覚で…」
感覚！？
凄い……と、心底驚嘆した。
「ちなみに、今は裸木が左右に別れているか？」
「はい」
「ならば良い。……うむ。お主は妖術が掛かりやすいな」
掛かりやすいんだ…。
なんとなくショックを受けると、胸の中でクスクスと笑い声が。
「そう残念がるな、タワケ。妾は嬉しいぞ？人間を欺くのが好きじゃからの」
「さらにショックでござる。……あ、ならどこからどこまでがお狐様の妖術なのでござるか？」
私の問いに、彼女はとてつもなく綺麗な微笑を浮かべた。
楽しんでいる、そんな顔。
「さぁ。そんなこと、お主が決めれば良い」
「私が？」
「あぁ。そもそも、お主は妖術について、どれくらい承知しておる？」
「……人を騙すもの…でござる」
「そうだ。妖術とは『人を騙す』もの。…違うなよ？“奇術”や“錬金術”ではない。あれらは壱から壱へと作り替えるもの。それから“魔術”は零から壱へと創りあげるものじゃ。それらとは違う」
“奇術”“錬金術”“魔術”。それらとは違う、とお狐様は語る。
「“妖術”とは零から変わらぬもの。かけられた者のみが見ることとなるものじゃ。例えば、お主はさっき手鞠を見たじゃろう。あれはお主に施した術だから、お主にしか見えぬ」
「それが妖術……」
「じゃからな、雨月。他人から見た此処とお主が見る此処の違いを知れば……自ずと答えは出る」
だから、自分で決めろ……と、お狐様は言った。
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桜鈴@雪猫(プロフ) - 紅うさぎさん» 3点セットですwwwww (2015年6月22日 7時) (携帯から) (
レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 桜鈴@雪猫さん» 三点セットwww (2015年6月22日 0時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴@雪猫(プロフ) - 夢主が可愛い。面白い。雨月が鈍いの3点セットwwwww (2015年6月21日 21時) (携帯から) (レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - limeさん» みたらし団子おいしいですよね(笑) 夢主と食べたいですwwww (2015年4月18日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
lime - みたらしwww 安定の鈍さwwwwww みたらし美味しい← ﾂﾝﾃﾞﾚ夢主めんこいっ!!絶対ﾓﾌﾓﾌしたい← (2015年4月18日 8時) (レス) id: bd91085028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2015年3月10日 0時
