008. ページ9
[雨月Side]
「ふふ。金魚みたいでござる」
「うるさいわ！このたわけ！」
赤い顔のまま、彼女はフイっと横を向いてしまった。
「全く……お主の忠義の無さにはほとほと呆れるわ！」
やれやれと肩をすくめるお狐様。
そうして、彼女が一歩踏み出した時。
つい、手が出てしまった。
ぎゅ……と彼女を持ち上げて抱き締めると、きょとんと驚いた彼女の顔が近くなった。
「は……、はぁぁああああっ？！！」
「わぁ！鼓膜が破れてしまうでござるよ」
「ほざけ！一体、これはなんのつもりじゃ！？」
なんのつもり、と言われても。
なんか、ただ単に、
「置いていかれるのは堪らないでござるからな」
また逃げられると、なかなか見付からないんだもん。
そう言ったら、彼女は私の胸の中でじたばたと暴れた。
「はーなーせーっ！」
「あ、やっぱり暖かいでござる」
「暖をとるな！抱き締めるなっ！頬擦りをするなぁ！！」
お狐様はシャーっと威嚇して、私から逃れようと必死に抵抗する。
それが可愛くて、つい強く抱き締めた。
「う、雨月ー！！いい加減にせいっ！」
「あだ」
ポンって、何か頭にあたった。
それから土に落下する音が聞こえて、そちらを見ると、そこには綺麗な手鞠がひとつ落ちていた。
さっきまではなかったのに。
……あ。これも、
「妖術……で、ござるか？」
「そうじゃっ！これ以上痛い思いをしたくなくば、妾を離せ！」
「…！」
手鞠で、痛い思いを？
は、発想に……幼稚な感じが！
「お狐様……」
「なんじゃ、雨月？やっと降参か？」
「降参でござる！だから、もっと抱き締めてていいでござるか？！」
「なんでじゃ！！“だから”の意味がおかしいっ！」
「分かったでござる。じゃぁ、社までで我慢するので」
「強制的な妥協を促すな！！」
「お願いでござる……ダメ、でござるか？」
お狐様に尋ねると、彼女は「うぐっ」とつまってしばらく考えて…、ひとつ縦に首を動かした。
「……仕方ない。特別じゃぞ！」
「忝いでござる」
「全く……。うるうると瞳を潤しおって…、なんとあざとい……！」
ぶつぶつとなにやら呟くお狐様を抱き上げる。
すると、目の前の木々がいつのまにやら道を譲ってくれていて、一本の道を作っていた。
おそらく、社へ向かう道。
私は一歩、歩き出した。
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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桜鈴@雪猫(プロフ) - 紅うさぎさん» 3点セットですwwwww (2015年6月22日 7時) (携帯から) (
レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 桜鈴@雪猫さん» 三点セットwww (2015年6月22日 0時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴@雪猫(プロフ) - 夢主が可愛い。面白い。雨月が鈍いの3点セットwwwww (2015年6月21日 21時) (携帯から) (レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - limeさん» みたらし団子おいしいですよね(笑) 夢主と食べたいですwwww (2015年4月18日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
lime - みたらしwww 安定の鈍さwwwwww みたらし美味しい← ﾂﾝﾃﾞﾚ夢主めんこいっ!!絶対ﾓﾌﾓﾌしたい← (2015年4月18日 8時) (レス) id: bd91085028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2015年3月10日 0時
