013. ページ14
[雨月Side]
頭の中に響く、彼女の声。
“気を抜くな。隙を見せるなよ……雨月。堕落したそれと言えど、こやつは鴉天狗じゃ。気を抜いた瞬間、お主は食われる”
食わ、れる……！
思い出した、烏の嘴。長く鋭利な嘴は、人間の血肉を食べるのか。
“鴉天狗は神通力を扱う者。鞍馬山にて修行をせし僧。……妾のような高等なあやかしでも、太刀打ち出来ぬ”
次の瞬間、金の炎が四方へ飛び散る。
宙を舞い飛ぶ細々しい炎たちは、お狐様が袖を払った途端消えた。
「…………雨月」
お狐様の肉声が、静かに私を呼んだ。
「行け」
「……え？」
「帰れっっ！！！」
お狐様が大きく広げた腕から垂れる袂の隙間から、見えた。
真っ赤な瞳を爛漫と輝かせて、猛禽類らしい野性を剥き出しにした烏の姿を。
そして、烏は笑った。私を見て、高々と笑い声を上げる。
「キェキェキェっ！！ニンゲン！旨そうなニンゲンだぁ！！」
「っーー…………！！」
人の体をした、黒い烏の慟哭。
鼓膜から足の指先までビリビリと伝わる恐怖に、膝の力を奪われた。
その場に尻餅をついた無様な私を、烏はさらに強く嘲笑う。
「雨月っ！」
叱咤するように大声を上げるお狐様の後ろ姿が、涙で滲む。
私は泣いていた。恐怖故のものなのか、分からない。溢れた涙は私の不安を一層、煽る。
「……ちっ！」
お狐様の舌打ちが聞こえた。
滲む視界の中で、また金の炎が爆ぜる。
お狐様が……闘っている。
揺れる光景で、それだけはビリビリと伝わってきた。
あの小さな体で、私を守ろうとしている。
そして、分かることがもう一つ。
お狐様は……押されていた。
「あっ……！！」
その声につられて、顔を上げる。涙を振り落とすと、視界がクリアになった。
烏はずっと笑っている。お狐様は烏を強く睨み付けている。
……私はただ怯えていた。
金の炎が宙に散乱する。
月明かりと交差して、ひと度私の目を眩ました。
「キェキェ！健気な狐だなァっ！」
パンっ！！ 烏が黒い翼でお狐様の顔を叩いた。
と思ったら、お狐様の体が飛ぶ。あたかも藁で出来た人形のように軽く。
その体は、桜の木に叩き付けられた。
烏は笑いながら、お狐様に近付く。翼を大きく掲げると風が集まり、その翼に薙刀を作り出した。
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桜鈴@雪猫(プロフ) - 紅うさぎさん» 3点セットですwwwww (2015年6月22日 7時) (携帯から) (
レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 桜鈴@雪猫さん» 三点セットwww (2015年6月22日 0時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴@雪猫(プロフ) - 夢主が可愛い。面白い。雨月が鈍いの3点セットwwwww (2015年6月21日 21時) (携帯から) (レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - limeさん» みたらし団子おいしいですよね(笑) 夢主と食べたいですwwww (2015年4月18日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
lime - みたらしwww 安定の鈍さwwwwww みたらし美味しい← ﾂﾝﾃﾞﾚ夢主めんこいっ!!絶対ﾓﾌﾓﾌしたい← (2015年4月18日 8時) (レス) id: bd91085028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2015年3月10日 0時
