Prologue ページ1
…寒い、とか。そんな感情。
……今から消えてしまうのには実に必要のないものだなって、そう思った。
「…………」
体が動かない。天井を映す視界がぼやける。
……喉が乾いた。唇が乾く。もう、飲み込む唾さえ出ない。
それでも、今日も空はご機嫌な様子。
この社の片側を塞ぐ障子を透かして、月の光が横殴りに入り込む。
仄かな月の光のくせに、くっきりと格子の影を落としていた。
その格子の影が、大の字に寝転ぶ妾に手を伸ばしているように思える。
でも、届かない。だって、妾の体は光の届かない影の中。
まだ、遠い。妾には届かない。
きっと、妾が手を伸ばせば、その優しげな恩恵に触れられるだろう。
だけど、それは要らぬ世話。妾は……もう求めない。
…淋しい、とか。そんなコト、思いたくもないのに。
弱りきった思考が、妾の瞳に涙を溜めた。
と、言っても一筋、瞳の縁から零れ落ちただけだった。
水分が足らないんだ。
でも、水を飲めば潤う訳じゃない。食べ物を食べれば、腹が満たされる訳じゃない。
妾は“美しいモノ”を食べなければ、消えてしまう。
例えば、朝露に濡れる桜。白紙に描かれた墨の絵。空を映す湖……。
“美しいモノ”なら、なんだっていい。
妾がそれらを見て、あるいは聞いて、そうして体全体で感動したならば、妾の体は本来の正常な機能を果たす。
つまり、人間で言うところの『生きる』ということ。動くことも、話すことも、泣くことも出来る。
今は、極端に足らなかった。
栄養と呼ぶべき、“美しいモノ”に触れた時の感動が。
出会わないように、ここから出なくなったから。
死にたいわけじゃない。いや、死ねない。だから、ここから消えてしまいたいんだ。
妾は、生きてない。
最初から、生きてない。
だって、妾は……。
……その時だった。
「……っぁ、」
音が、聞こえた。……ような気がする。
少しずつ近付いてくる笛の音。
幻聴なんかではなかった。
その音は、今まで聞いてきた何百年の中で、一番美しい……。
妾は、そっと障子を眺めた。
月の光が差し込んでいる。
妾の指先は、延びた正方形の影と透けた月の光に触れていた。
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革ベルト
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桜鈴@雪猫(プロフ) - 紅うさぎさん» 3点セットですwwwww (2015年6月22日 7時) (携帯から) (
レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 桜鈴@雪猫さん» 三点セットwww (2015年6月22日 0時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴@雪猫(プロフ) - 夢主が可愛い。面白い。雨月が鈍いの3点セットwwwww (2015年6月21日 21時) (携帯から) (レス) id: 6d85449b6c (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - limeさん» みたらし団子おいしいですよね(笑) 夢主と食べたいですwwww (2015年4月18日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
lime - みたらしwww 安定の鈍さwwwwww みたらし美味しい← ﾂﾝﾃﾞﾚ夢主めんこいっ!!絶対ﾓﾌﾓﾌしたい← (2015年4月18日 8時) (レス) id: bd91085028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2015年3月10日 0時
