アバンチュール (ページ9)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:66,995 hit

side向井ページ9

向「蓮くん！！！」

岩「目黒･･･！」

俺と照くんは、スタッフに囲まれて倒れている

蓮くんの元へ駆け寄った

『あっ、向井さんに岩本さん！』

向「蓮くん･･･！蓮くんどうしたん！？

なにがあったん！？なあ！」

岩「やめろ康二！」

取り乱したようにスタッフに詰め寄る俺は

照くんに止められた

『イ、イヤモニの調子が悪いって、聞こえづらいと

言っていたので調整してたんです！そしたら、』

女性スタッフが動揺したように話しはじめる

その目には涙が浮かんでいた

『急に目眩がするって、大丈夫かと声を

かけようとしたら、いきなり倒れて･･･！』

向「ど、どうしよ照くん！蓮くんがっ！」

どうしたらいいか分からず

おもわず蓮くんの体を揺する

岩「とりあえずあんま動かすな、頭打ってるかも！」

向「わ、わかった！あ、救急車っ･･･」

岩「おい目黒！目黒！」

照くんの声かけにも反応しない蓮くん

どうしようかと混乱していたら･･･

阿「大丈夫！もう連絡したから！」

向「･･･阿部くん！」

騒ぎに気づいて楽屋にいた阿部くんと舘さんが

駆けつけてくれた

岩「ナイス阿部！」

舘「なかなか戻って来ないから様子見に来て正解だ！

おい目黒！しっかりしろ！」

尚も反応しない蓮くん

顔面蒼白で、額にはじんわりと

冷や汗をかいていた

阿「もうすぐ来るから少し･･･うわっ」

舘「･･･血だっ」

岩「きっとガラスで切ったんだ！･･･止血！」

阿部くんの視線の先は蓮くんの真っ白な衣装

数箇所に血液がにじんでいた

岩「目黒！大丈夫だからな！」

阿「･･････あ、きた！」

舘「･･･すみませーん！こっちです！」

スタッフ達と一緒に止血をして

最低限の応急処置をしたが

出血は止まらない

広がり続けている

向「蓮くん！反応してや･･･っ！蓮くん！」

岩「康二っ！！！」

『近くの病院に搬送します！離れてください！

･･･どなたか同乗する方は！』

救急隊員達に運ばれていく蓮くん

スタッフ数名が救急車に乗り込み

程なくして搬送された

その場に残された俺達は

遠ざかっていく救急車を眺めながら

呆然と立ち尽くしていた･･･