(16)本能と直感 ページ18
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位置取りを変えて数十分後、のんびりと魚が釣れるのを待っていると、伏黒がその近くへとやってきた
「ここ釣れますか?」
『いんや、私はまだー
恵はどれくらいとれたの?』
「2匹釣れましたよ。今のところトップは真希さんの5匹ですね」
『え。そんな釣れてるのか…』
「……あ、釣れました。これで3匹目です」
『エッ。』
話している間にも伏黒が1匹釣り上げ、Aもさすがに焦り出す。
ムム…と眉間に皺を寄せて海を睨むが、釣れそうな気配はない
伏黒は持っていた竿を置き、Aの隣に来て名前を呼んだ
「…あの、小南先輩」
『んー?なあに?』
「…この前、
………すみません、やっぱりいいです」
そう言って伏黒は腰を下ろし、その場に座った
Aが横目でその表情を伺うと、ずっと何かを考えているような顔だ
Aも腰を下ろして、堤防の先端から足を投げ出して座ってこう言った
『恵はさ、賢いじゃん
だからいつも最短で最善の方法を選ぶために、よく考えてる。
でもたまには直感で、勢いで、物事選んでみるのも楽しいかもよ?』
「…!」
『だから、ほら。今言おうとしたこと言ってみない?』
「…まさか、今の先輩が聞きたいだけじゃないですか?」
『ギクッ。』
「はぁ…、まぁでも参考になりました」
『ほんと!? じゃあさっきの "この前" の続きもっかい─────』
刹那、グンッとAの身体が海の中に引き寄せられた
伏黒の視界で捉えられたのは、竿が強く引っ張られた瞬間。魚が餌に食らいついたのだ
Aは足を投げ出して座っていたため、踏ん張ろうにもそうすることが出来ない
あっさりと空中に身を投げ出してしまった
「(海__ 危ない__ 浮き輪__ 先輩が泳げれば__)」
──────動け
「っ先輩!!」
Aが水の中に落ちる直前、反射的に目をつぶったのと同時に感じたのは、強く抱きしめられる感覚だった
ドボンッ…!!
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ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時