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(13)悲しい夜は ページ15

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とある日の夜、術士の人が息を引き取った



家入とAの決死の治療であっても、間に合わなかったのだ



『……』

「……」



家入と会話をすることも無く、淡々と報告書を作り上げていく


最後の欄を埋め終え、タンッ…とパソコンのエンターキーを叩いた




『……終わりました』

「…ああ、後は私がやってく。今日はもう休め」

『…はい、お疲れ様でした』





このようなことはAにとって初めてでは無かった



しかし、今日ので3度目。
高校2年生のAが慣れているわけが無い



身体的に疲労が、そして精神的にも苦しかった






夜はときに酷なものとなる




夜の闇が全てを呑み込むように、Aの心をジワジワと哀愁で染まっていく


1人窓の外に映る夜を眺めながら歩いていた


すると、歩いていた方向とは逆の方向から虎杖が歩いてきた


いつものAなら気づくとすぐに手を振ったり声をかけたりとするのだが、夜の空を見ていたのもあり、虎杖には気づいていない




だから、虎杖がAの異変に気づくのには時間はかからなかった




「先輩、なんかあった?」

『…っ!……あ、悠仁…』





声をかけられて初めて虎杖の存在に気づいた


驚いたものの、すぐに表情を和らげて『なんでもないよ』と言う




だが、それは嘘だと誰から見てもわかる表情だった





虎杖の横を通り過ぎようとするAを、虎杖はその前を阻んだ





「なんか辛いことあったの?俺で良かったら聞くよ」





虎杖悠仁は優しい


誰かを助けるためにいるのだから、仲間が辛そうな表情をして嘘をつくのを見過ごすわけがなかった


Aの背丈に合わせて顔を覗き込んで、その暗い顔少しでも明るくしようと優しく笑う



Aはその眼を見て、釣られて口角が少し上がる





けれども、それと相反して一筋の涙が頬を伝った





その突然の涙に虎杖が驚くのは当然、しかし1番驚いていたのはAだった



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ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時

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