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生気を感じられない人が多くいる中、彼はいつ見てもにこやかに笑っている。人懐っこそうだが、彼も吉良の計画に賛同し、協力しているのだ。信頼はできない。
いつものように今日の業務内容を、手元のカルテを見ながらAに説明する。一通り説明し終えた後、顔を上げてAへ苦笑いを浮かべた。
「……と言っても、研究所にゴミなんて全く落ちてないし、侵入者だってそう簡単に入ってこれるようなセキュリティじゃないからね。正直、暇でしょ？」
「ええ、まあ、かなり。けど、だからといって貴方たちの研究に手を貸そうとは思いません」
「どうして？」と尋ねる研究員に、Aはキッパリと答えた。
「アタシは父の考えに否定的です。研究の手伝いをすれば確かに暇ではなくなりますが、間接的に父の計画に協力していることになりますから」
「あはは、相変わらずだね、君は。君だって、グラン様たちと同じ星の使徒なんだよ？ 既に協力しているようなものじゃないか」
「……協力なんてしていません」
敬称をつけて呼ばれたその名前に、Aは虫酸が走った。はるか年下の子供たちに「様」とつけるなんて、数世紀前の若い国王に頭を下げる家来のようで気味が悪い。ましてや、アイツはグラン様なんて呼ばれるほど、素晴らしい人間だったか。
キャプテンというだけで大人からも崇拝の目で見られる彼に、内心同情する。本人がどう感じているかは別として。
Aの返答に彼は「そうか」と答えて、後はよろしくと言わんばかりに背中を見せ、ある部屋に姿を消した。横開きの自動ドアが静かに開き、音もなく閉じる。
「……はぁ」
大きなため息をついて、Aはその場から踵を返そうとした。白衣の大人が忙しなく走り回るこの場所に滞在することは、Aにとってストレス以外の何者でもなかった。
にこやかな研究員が姿を消した扉から、今度はAと同じくらいの背丈をした少年が入ってきた。随分と特徴的な服に身を包んだ彼は、先程まで研究員が口にしていた少年だった。
「やぁ、リリーヤ」
「…グラン」
エイリア石のパワーのせいなのか、盛り上がった髪は何度見ても慣れない。吐き捨てるように名を呼ばれたグランは、困ったように肩を竦めた。
「俺のことはグラン様って呼んで。一応マスターランクのキャプテンなんだし」
「嫌よ。同い年なのに……アンタの家来でもないんだから」
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
