好奇心の戯れ ページ5
ユウSide
「なぁ、やっぱりやめないか?寮長に知られたら、たたじゃすまないぞ」
「大丈夫だって!ちょっと見たら帰るから!」
「……こうなったら、諦めるしかないと思うよ。デュース」
「オレ様……眠たいんだゾ」
2人でため息を吐く
今は夜の11時50分
結局エースの口車に乗せられ、図書館へ行くことに
少し肌寒い風邪が、頬を掠めた
ギィ
図書館の重たい扉を開け中を見ると、仄かな光がついているだけでほとんどが暗闇だった
エースが魔法で照らしてくれているので、かろうじで周りは見える
「ユウ、今何時?」
「えっと……あ、あと2分だよ」
「オレ様、ワクワクしてきたんだゾ!」
「さっきまでの眠気はどこにいったんだ……?」
4人で固まって辺りを見渡していると____
ゴーンゴーンゴーン
0時を告げる鐘が鳴った
みんな一斉に息を飲む
妙な緊張感で、心臓がうるさい
「……なんも起きなくね?」
「そ、そうだな」
辺りを照らすが、本が落ちる音もなんの気配も感じなかった
エースたちは興味が薄れたのか、「もう帰ろーぜ」と出入口へ足を進める
自分もそれに付いて行こうと、足を動かした時
クスクスクス
複数の笑い声が聞こえてきた
これは……子どもの声?
よく聞いてみると、何か話している
__ウオシアワ
__リロチハタム
__イッコボロチ
何この言葉
上手く聞き取れない
気持ち悪い……頭に響く
__ウオシアワ
__ウオシアワ
__エデイオ、“ユウ”
「えっ……」
その瞬間、白いモヤに覆われ吸い込まれそうな感覚に陥った
瞼も重たくなって、体の力が抜ける
『ダメ』
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作者名:水無月宥斗 | 作成日時:2020年5月26日 23時