桃ジュース【桃】 (ページ11)

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『えっ、まさか300……？』

「うん、300万円だった」

驚くしかなかった。

私をNo. 1に成り上がらせてくれた前川様は会社を経営している方。

年齢もそれなりにいっていて、たまにの来店で大きな金額を置いていってくれる。

何回かの接客の後に、本指名をしてくれるようになって今に至るのだが…。

「この調子だと前川様を越えるんじゃないかな、あの人」

『私も今それ考えてた』

「すごいよね、見た感じ若そうなのに。

何してる人かは知ってるの？」

『今日聞いたんだけど秘密だって』

「年齢不詳に職業不詳か〜！なんかドラマみたいだね」

ラウはキャッキャと笑った。

「お店に来た時、ちゃんと顔見たけどめっちゃ綺麗な顔だったし。

どっかのお店でホストでもやってるのかなぁ」

あんたも十分綺麗な顔だけど、と思ったけど言わないでおいた。

『お酒苦手って言ってたからあんまり向いてなさそう』

「そういうAもお酒苦手じゃん」

『まぁそうだけどさ』

「なんかますます気になっちゃうね〜」

ラウとたわいもない会話をしていればあっという間に閉店時間に。

「Aまた頼むよ」

『はい、お疲れ様でした』

オーナーに挨拶を済ませ、店を出た。

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