僕の望みは、「平穏」【六年生】【男主】【RKRN 】2 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:4,895 hit

隠されたお菓子の段(四年生のときの回想)6 ページ6

『─────って感じだったなぁ。まぁそれを反省して学園長先生、お菓子はすぐに隠すようになったんだけど、って…』

龍之介がふと乱太郎たちの方を見やると、土煙だけが残されていた

『おやおや…大方、一年は組の教科担当教師の土井先生と実技担当教師の山田先生に泣きつきにいったかな…』

やれやれ、と笑いながら弓矢を片付けて六年生長屋に向かう

い組の部屋の障子をあけると、仙蔵が忍具の手入れをしていた

仙蔵「練習は終わったのか」

『まぁね。…仙蔵、後で留三郎辺りから呼ばれるかもよ』

龍之介の言葉に、仙蔵が苦い顔をする

仙蔵「…喜八郎か」

『多分だけどねぇ？』

仙蔵「お前の多分だけど～、が外れたことがあったか？」

『えぇ～？あるんじゃない？』

仙蔵「99.4%」

『…え？』

仙蔵「お前が預言で当てた確率だ」

『数えてたの…？』

仙蔵「まぁな」

時々仙蔵が恐ろしくなるよ、と軽口を叩きながら龍之介は弓矢を仕舞う

仙蔵にならんで龍之介も手入れを始め、あと半分といったところで学園内が騒がしくなり始めた

　「綾部先輩の地下迷宮においしい羊羹が！」
　「早く行こう！」

仙蔵達の部屋の前の中庭から、そんな声まで聞こえてくる

仙蔵「喜八郎…！」

『学園の下に何てものを…』

仙蔵「我々も行くか…」

『絶対六年生は収集役になると思うけどねぇ…』

互いに顔を見合わせて苦笑いしながら立ち上がる

仙蔵「小平太辺りが飛び込みにいくだろう」

『横穴を開けに、のまちがいじゃなくてかい？大丈夫だろうよ、長次(保護者)がいるから』

遠くの方から、留三郎の仙蔵を呼ぶ叫び声が聞こえてきた

『行くかぁ』

仙蔵「一段落したら間食でもするか？母上からお菓子が送られてきたし」

『いいねぇ、今回は何かな～。…っと…』

仙蔵「？どうした？」

『なぁんでもなーい』

フッと笑った龍之介に首をかしげつつ、仙蔵が前を歩く

龍之介が先程見たところには、乱太郎、きり丸、しんべヱが羊羹の入った箱を開けて顔をほころばせていた─────