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隠されたお菓子の段(四年生のときの回想)4 ページ4

学園長「明日は楽しみにしていたわしのガールフレンドが遊びに来る日…楽しみじゃのぉ」

学園長先生が鼻の下を伸ばしながらニヤニヤしていると、その髪の一部を貫いて、どこからともなく矢が飛んできた

悲鳴をあげて飛び上がった学園長先生が見ると、矢の先端には紙がくくられている

学園長「や、矢文ぃ!?何者じゃろう…」

学園長先生が物陰に隠れながら手紙を開いた

そこには

【大川平次渦正江
 菓子の恨みは忘れません
 今日中に羊羹を頂きに参ります

  五十嵐龍之介
  潮江文次郎
  立花仙蔵
  中在家長次
  七松小平太
  食満留三郎
  善法寺伊作


 実戦的実習の一環としてこれを許可する
  教師一同】

と書かれていた

学園長「先生方まで巻き込みおって…。じゃが、わしのデートの邪魔はさせん…!この羊羹、取れるものなら取ってみよ!」

部屋の真ん中でそう言って胸を張る学園長先生

が、次の瞬間には慌てて右往左往し始めた



そして、学園長先生の庵から離れた茂みでは…

弓を持ってニヤニヤする龍之介と、同級生たちが…

文次郎「龍之介、打ち合わせの時より矢が学園長先生に近かった気が…」

『当たらないギリギリを狙うんじゃなかったかい?』

仙蔵「そうだな」

留三郎「柱に打つんだったろうよ!」

容赦のない二人に苦笑いをする面々

そして、頷きあうと一斉に別々の方向へ散らばっていった






学園長「どこかに隠さなくっちゃぁ〜!」

長次「…トス」

小平太「いけどんアターーーーーック!!」

小平太の馬鹿力によって思いきり地面に叩きつけられたバレーボールが、轟音と共に地面にめり込んだ

土煙で前が見えなくなる

学園長「ゲホッ、ゴホッ!」

留三郎「ホワチャー!」

学園長「!」

独特な掛け声にハッとした学園長先生の手から、留三郎の鉄双節棍によって弾かれ、羊羹の箱が宙に浮かぶ

伊作「キャ〜ッチ!!」

そこに滑り込んできた伊作が箱をつかみ…

学園長「待てぇ〜!」

その足を学園長先生がつかまえた

ビターンッと頭から伊作が転ける

またもや宙に打ち上がった箱を、学園長先生が両手を広げて出迎える

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作者名: | 作成日時:2023年10月16日 8時

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