僕の望みは、「平穏」【六年生】【男主】【RKRN 】2 (ページ2)

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隠されたお菓子の段(四年生のときの回想)2 ページ2

文次郎「おっ！お菓子か？」

仙蔵「多分そうだろう」

『あっ、羊羹だ。…あれ、これについてた手紙は、学園長先生へ向けてる』

い組の部屋で、真ん中で頭と付き合わせながら箱をのぞきこんでいた文次郎と仙蔵が龍之介を振り返る

仙蔵「間違って届けられたのか？」

文次郎「じゃあ、学園長先生のところに、お前ら宛の…」

『交換してもらおうか』

仙蔵「行くぞ、文次郎！」

文次郎「俺もかよ！」

仙蔵「この間帰ったときに母上が、我々四年生全員にあててお菓子を送ると言っていた。つまり、お前のものでもあるということだ」

なんやかんや、甘いものが嫌いでない文次郎も渋々立ち上がり、三人は学園長先生の庵に向かった

学園長「おぉ、わし宛の羊羹が間違って仙蔵たちの元へ届いておったのか」

仙蔵「はい。なので、私たち宛のお菓子が学園長先生の元へ届いていたと思うんですが…」

学園長「お菓子ぃ？あぁあの団子のことか」

『そう、それです！』

学園長「うまかった！」

「「「え？」」」

学園長の言葉に、三人の目が丸くなる

学園長「すまんのぉ、わし宛かと思って」

「「「えぇぇぇえ！？食べちゃったんですか！？」」」

たっはー、と笑う学園長に思わず三人が詰め寄る

仙蔵「で、ですが、母は四年生全員に、と…」

『おばさんは七人分くださったはずです、それ、全部食べちゃったんですか！？』

文次郎「お一人で！？」

学園長「ヘムヘムも一緒じゃ」

「「「そういう問題じゃありません！！」」」

開き直る学園長に三人が同時につっこむ

文次郎「そ、それでは、代わりにその羊羹を我々にください！とりかえっこ、ということで…」

文次郎が、そう言って学園長先生が抱えている風呂敷包みを指差して言う

学園長「それはできん！」

『なんでですか！』

学園長「これは明日、大事なお客様にお出しする大事な羊羹なんじゃ！」

ガシッと風呂敷包みをつかんで言い張る学園長に龍之介が冷たい目を向ける

『どーせ、大事なお客様って、学園長先生の元ガールフレンドのあの人でしょう？』

仙蔵「忍者の三禁に女があるというのに…」