六年生の実戦的実習の段 6 ページ7
翌日、夜…
『…と、言うわけでさっそく行動を開始するわけなんだけど…』
そこで言葉を切って、龍之介はキッと前に立つ文次郎、小平太、長次、留三郎を睨み付けた
『君たち…その格好はなんのつもりかな…?』
まさか女装とは言わないよね?と口元をピクピクさせながら龍之介が問う
彼の目の前にはけばけばしい化粧とがに股仁王立ちの四人の姿…
仙蔵「相変わらず凄まじい出来だな…」
伊作「流石にこれは…」
仙蔵「よほどのげてもの好きじゃなければ手は出さんだろうな」
伊作「どっちかって言うと、女子って言うより…」
『妖怪かな』
仙蔵「怪物」
文次郎「てめぇら…」
歯に衣を着せるどころか、追い剥ぎをする勢いでハッキリ言う同室たちに文次郎が青筋をたてる
『大体ねぇ、文次郎?君は一体いつも僕や仙蔵の女装の何を見ているんだい?』
仙蔵「全くだな。お前も忍ならば技の一つや二つ、見て盗め」
ろ組は論外だが、と呆れる仙蔵と龍之介に返す言葉のないろ組の二人
文次郎「女の身支度を見るわけにいかんだろっ!」
『落ち着け、ちゃーんと、つくもんついているから。風呂場で見てるだろうに』
仙蔵「そうだぞ、全くお前たちは…」
そう返したところで、大きなため息をついた二人が筆などの化粧品を袂から取り出す
『素材を殺すな!ほら、さっさとその顔面を差し出し給え』
仙蔵「伊作、手伝え。ひとまずこいつらのキャンバス(顔面)を綺麗にするぞ」
伊作「分かった!」
「「「「えぇぇぇえ─────…!!!」」」」
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作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時