僕の望みは、「平穏」【六年生】【男主】【RKRN 】 (ページ40)

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補習授業を回避せよの段5 ページ40

(さて、これで二枚…。一年生は組は11人だから…)

龍之介がそんなことを考えつつ、獲得したハチマキを腰ひもにくくりつけていると、校庭の方から４つののろしがあがった

(仙蔵も二枚とったってことかな)

虎若「うわぁ…もう四人もやられてる！」

(！)

龍之介が気配を消して木の下をのぞくと、虎若と団蔵の二人組が歩いているのが見えた

二人とも、頭にハチマキを巻いている

(先程の金吾、喜三太も頭に巻いていたが、この二人の方が固く結んであるな…。ちょっと引っ張っただけじゃ外れなそうだねぇ…)

うーん、考え込んだ龍之介が、ふとニヤッと笑う

(やり方を変えよう…！)

団蔵「誰がやられたんだろう…」

虎若「こんな短時間でってことは、やっぱ六年生ってすごいんだなぁ」

二人が辺りを警戒しつつも小声でそう話している

耳を澄ましても、鳥の鳴く声や風で木が揺れる音ばかりで、鈴の音はしない

近くにいないのかと二人が気を緩めたとき、パキッと枝を踏んだ音がした

「「！」」

バッと二人が身構える

虎若「誰だ！」

庄左ヱ門「…虎若？」

ガサッと茂みが揺れ、庄左ヱ門の声が聞こえてくる

まだ、姿は見えない

伊助「ってことは、団蔵も？」

団蔵「いるよ！二人とも無事だったんだ！」

安心した顔をして、団蔵が茂みに駆け寄ろうとする

が、その前に庄左ヱ門に止められた

庄左ヱ門「待った！一緒にいたら皆やられるかもしれない…。このまま話そう…。虎若たちが先輩たちの変装かもしれないし…」

虎若「た、確かに…！」

団蔵「さすが一年は組の学級委員長…！いつでも冷静だ…」

伊助「確認のために、ハチマキだけ見せる？」

庄左ヱ門「そうしよう」

その声が終わると、茂みからハチマキが二枚、ヒラヒラと揺れた

それを見た虎若と団蔵は顔を見合わせ、安心した風で頭からハチマキを外す

そして、茂みの向こうにいるであろう庄左ヱ門と伊助に見えやすいように、高く掲げてそれを振った

その瞬間