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補習授業を回避せよの段1 ページ36

とある日の昼下がり

六年い組の部屋では、文次郎は残業を、仙蔵は読書、龍之介は食費稼ぎの内職を行っていた

静かな部屋に、そろばんを弾く音と紙、布の擦れる音だけがする

その時、ふと三人が顔をあげた

障子の隙間から煙玉が投げ込まれると同時に、三人も動き出す

学園長「うえっほ、えっほ、えっほ…ひゃあ!」

煙に咳き込んでいた学園長が悲鳴をあげる

敵襲と思い、反射的に反応した三人が袋槍、苦無、棒手裏剣で学園長の首もとを狙っていたのだ

学園長「危ないじゃろうが〜!」

『なぁんだ、学園長先生かぁ』

仙蔵「驚かせないでください」

文次郎「もっと普通に入ってきてくださいよ」

学園長「ぐぅ…」

口々に批判され、項垂れる学園長

『んで、わざわざ煙玉で、このそこまで広くもない部屋に粉と火薬の臭いを撒き散らしてまで伝えたいことってなんですかぁ?』

文次郎「なんか言い方にトゲがないか、龍之介…?」

仙蔵「まぁどうせ、いつもの突然の思いつきなんでしょう?前に学園長は突然思いついて、龍之介の狼のシロに無理矢理乗ろうとして怪我をさせた前科がおありになりますからね」

『一生許さん…』

文次郎「まぁそれは完全に学園長先生が悪いです」

三人からの白い目に、学園長が人差し指を合わせて小さくなる

学園長「じゃから、お詫びとしてワシのおこづかいの何割かを生物委員会の予算にまわしておるじゃろう…?」

『ま、そうですけど…』

これでシロの怪我が完全に治らなかったら絶対に許さなかっただろうけど、と心の中で呟きつつ仙蔵が学園長を促す

仙蔵「それで、ご用件は?」

学園長「うむ、お主らに協力してもらって一年は組の実技の補習授業をしたいと思ったのじゃ!」

文次郎「補習授業?」

『内容は?』

学園長「補習内容は…─────」

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作者名: | 作成日時:2023年9月22日 8時

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