危険な薬草取りの段 10 ページ27
乱太郎「…っ!」
ガタッと立ち上がり、六年い組の部屋に入って押し入れの戸を思いきり開ける
『!?』
暗くて狭い押し入れにうずくまっていた先輩の手首をつかんで、無理矢理引き出す
乱太郎「先輩…ありがとうございました!助けてくださって、とっても嬉しかったです!それが、どんな形であっても!」
『で、でも…気味が悪いでしょ?あんなの…』
乱太郎「そんなの関係ないです!先輩は、優しいいい人だって知ってますから!今だって、わたしの手を振り払うことなんて簡単なはずなのに、しないじゃないですか!」
『!』
乱太郎「先輩の人格は、関係ないです。どんな先輩でも、わたしを助けようとしてくれたことにはかわりありませんし…。それに、わたしは!」
胸を張って、堂々と宣言する
乱太郎「敵も味方も関係ない、保健委員ですから!」
立花先輩も、潮江先輩も苦笑いしている
龍之介先輩も、ポカンとしている
でも、これだけは変わらない
乱太郎「人格なんて、関係ないです!!!」
そう言い切ったわたしを見、目を丸くしていた龍之介先輩がフッと吹き出す
『やっぱり保健委員は忍者に向いていないねぇ。そんな優しかったらおにーさん、心配になっちゃうなぁ』
そう言う龍之介先輩は、いつもみたいなちょっと胡散臭いって言われる笑みを浮かべていた
『そう言ってもらえて安心したよ。あ、でも、このことは内密にね?敵に利用されちゃたまったもんじゃないからねぇ』
よいしょ、と押し入れから出てきた龍之介先輩と入れ替わりに潮江先輩がぶつくさ言いながら布団をしまう
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作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時