危険な薬草取りの段 8 ページ25
乱太郎side
狼に乗って帰り、先生たちによって山賊が片付けられて数日後
あれから龍之介先輩を見ない
六年長屋に行って、直接お礼と謝罪をしたいけど、あそこは上級生向けの罠だらけなせいで、向かえない
悩みながら校庭を歩いていると、同じく何か悩んでいそうな潮江文次郎先輩が前からやって来た
乱太郎「潮江文次郎先輩!」
文次郎「あぁ、乱太郎か」
乱太郎「あ、あの…龍之介先輩のお怪我って…」
文次郎「あのくらいで死ぬようなやつじゃない、大丈夫だ。あまり動かさない方がいいがな」
乱太郎「わたし、お礼と謝りたいことがあって…」
そう言うと、潮江先輩がため息をついた
文次郎「俺たちとしても、あいつをいい加減部屋の外に出したいんだが…」
乱太郎「どういうことですか?」
文次郎「うーん…まぁ来てみてくれ」
潮江先輩に促され、六年生の長屋に向かう(ちなみに、何度か罠にかかりそうになった)
六年い組の部屋の前につくと、中から口論する声が聞こえてきた
仙蔵「大丈夫だと言っているだろう!」
『いーやーーー!!!ぜっっったい引いてた!ドン引きしてた!!!』
乱太郎「…どういうことですか…?」
文次郎「龍之介が押し入れのなかに籠城して出てこない」
乱太郎「えぇ…?」
文次郎「布団も仕舞えんし、部屋が窮屈で敵わん」
やれやれ、と潮江先輩が言ったところで、疲れた様子の立花仙蔵先輩が障子を開けて出てきた
仙蔵「文次郎、交代」
文次郎「俺の方が無理だろ…」
ブツブツ言いつつも、潮江先輩が押し入れの戸を開けようとするのが見えるが、中から抵抗しているらしくガタガタと揺れるだけ
56人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時