お世辞上手<木兎・赤葦> ページ4
「今日はもう俺に上げんなっ」
『げっ早くね?』
音駒と梟谷が使うこの体育館にそんな声が響いてきて、思わず顔を引きつらせてしまった私は別に悪くないだろう。
ほら、もう既に赤葦さんがこっち見てるよ。
「花宮さん、出番です。」
『前から思ってましたけど赤葦さんって何かと結構私の事頼ってきますよね。
まあ今回はしょうがないっすけど…』
「ええ、頼りにしてます。木兎さんをどうにかしてください。」
ポケットに手を突っ込みながら悪態をついてみるものの、彼はそんなのお構いなしである。
そもそも何故私が行かなければならないのかというと、どうやら木兎さんは私(猫かぶりver.)のことを気に入ってくださっているそうな。
以前面白がってやってしまったのが凶となり、こうして度々お願いされるのだ。
実をいえばこのキャラは面倒、主に黒尾さんにネタとして扱われるので極力やりたくはないのだが…
致し方ない。やらせて頂きやす。
『木兎さん。』
「A…」
しょぼくれて膝をつく木兎さんの両手を掴み自分の両手で包み込む。
『木兎さん、私は木兎さんのスパイク好きです。それなのにもう見れないなんて悲しい。
私に頑張る姿、見せてくれませんか?』
少しばかり頬を染めて上目遣いを屈指し、少し恥じらいながら言ってみると目の前の彼は表情を明るくさせて、あろうことか両腕を広げて私を腕ごと抱きしめてきた。
「Aー!お前って奴はっ!!
そんなAが俺は大好きだぜ」
『うげっ、ぐ、ぐるしぃ、へるぷへるぷ!
わかったわかった、もういいですから、ちょっと誰かーっ!』
「ハイハイ木兎さん。復活したんなら続けますよ。」
「ちょっ、あかーし!?」
あー苦しかったーと、開放感を感じていると音駒の方から黒尾さんのケラケラと笑う声がしている。
とりあえず今度ばかりはどついてやった。
「Aー!ちゃんと見とけよー!!」
『はーい、マネージャー休憩入りまーす。』
騒ぎ立てる木兎さんたちの声を他所に私は休憩という名のドリンク作りへと向かったのだった。
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ゆか(プロフ) - そこで終わりですかあああああああああああ!?続き気になります!!!!更新まってますううう!!! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 75e2a494df (このIDを非表示/違反報告)
エマ - とっても、面白いです!!更新、楽しみにしてます。頑張ってくださいね。^^ (2020年2月10日 22時) (レス) id: b5a08e9156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水面雫 | 作成日時:2019年9月26日 19時