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出逢 ページ1

折角描いたスケッチが風で飛ばされてしまった。今日描いたのは自分の中でも中々の出来だったというのに。仕事以外の絵はあまり他人に見られたくない…。


だから誰かに拾われる前に見つけなきゃ…!とりあえず辺りを探していると聴導犬のきなこが私の膝をタッチしてきた。誰かに話しかけられてる時の合図だ。


顔を上げれば私より背の高い帽子を被った男性。手に画用紙を持っている。絵…見た、よね…?


どうしようと思ってると男性の口が動いてるから何か言ってるんだろうけど、私には聞こえない。目の前の男性の声どころか自然の音、生活音すら聞こえない。だって私は生まれつきの全聾だから。


だから健常者と話す時は手話ができない人だったら筆談しかない。急いで鞄から筆談用のスケッチブックを取り出してよく書く文を書いていく。



《私は耳が聞こえません》



それを見た男性は目を見開いていた。少し戸惑って見える。


それでも私は彼にスケッチブックとペンを差し出した。それがどんな意図だったのか分かったらしい彼は普通に受け取ってくれて書いてくれた。



《この絵はあなたのですか?》



持っていた画用紙を渡してくれた。それは間違いなく私の絵。よかった、汚れてない…!声に出してありがとうは言えないから、何度も頭を下げるしか私は彼に感謝を伝える術がない。


そしたら男性はこの絵を今描いたものか聞いてきた。頷いたらスケッチブックにこう書いてくれた。



《すごい上手ですね》



誰かに絵を褒められたのは凄い久し振りな気がする。その文がお世辞じゃない事は男性の優しそうな性格とか表情で理解できた。


スケッチブックを返してもらってありがとうと伝えた。素っ気ない文になってしまったけど、これが私の精一杯だから許してほしい。


それから男性と筆談をした。モトキさんというらしい。YouTuberなんだって、意外…。彼が教えてくれたから、私も自分の名前と仕事を言って、お互いの仕事の事をちょっと話した。帰ったら動画を見てみよう。


モトキさんと成り行きで連絡先を交換した。赤坂さん以外の男性の連絡先増えたの初めてかも…。



《いつでも連絡してくださいね》



本当に連絡、してもいいんだろうか。だってたった今出会った女だよ?彼女とか…。あ、いないから連絡先教えてくれたのかな?


色々限界で適当な理由をつけてその場から立ち去った。いつまで経ってもモトキさんの優しい笑顔が頭から離れない。





あぁ、心臓が変だ。

唯一→



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(プロフ) - mikaさん» そういうコメントくださると本当嬉しいです、ありがとうございます。私の作品が誰かの需要になってるんだと思うだけで頑張れます。でも最近更新ペース遅くなってすみません…。 (2019年11月12日 0時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 尊い... (2019年11月11日 8時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 更新されないと思ってたら移行してた笑 (2019年11月6日 16時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年10月30日 0時

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