唯一 ページ2
1週間が過ぎて、少しの変化があった。まず彼をモトキ君と呼ぶ事になった。自分の方が三つ年下だから、さん付けは辞めてほしいと頼まれたら断れなかった。そうなると自然と敬語もなくなった。モトキ君は私に対して敬語だけど。
そしてモトキ君は私の事を高千穂さんからAさんと名前で呼ぶ事になった。名前で呼ばれるの、両親以外初めてかもしれない。凄い嬉しい。誰かに名前を呼ばれるのってこんなに嬉しかったんだ。
毎日モトキ君とLINEをしてる。あれから会えてないから今はLINEだけが唯一の彼との繋がり。これが途切れてしまったらもう二度と繋がれない気がする。
今日も今日とてLINEをしてるとモトキ君の突然のお願いにスマホが手から滑り落ちて落としちゃった。え、見間違いかな…?恐る恐るもう一度送られてきたLINEを見る。
モトキAさんが絵を描いてる所を見たいです
……見間違いじゃ、ない。え、どうしよう…!目の前で絵を描くのは恥ずかしいけど、モトキ君ともう一回会いたいし……。
こういう時、相談できる友達とかいないのが辛い。そうだ、赤坂さんに連絡……いや、仕事以外の話で相談するのはなぁ……しかも男性だし。相談するなら同性がいい。
……あぁもう、よし、こうなったらやけくそだ!
いいよ
素っ気なさすぎた!?でもこれ以外に返事思い付かないし…!ていうかもう送っちゃったし…!!
テーブルに突っ伏してるとスマホが震えた。ガバッと顔を上げて画面を見れば前会った公園でいいですか?って…。という事は?モトキ君と会えるの?
えへへ、嬉しい。本当に嬉しい。だって私は。私、は……────
────……モトキ君の事が好きだから。
初めて誰かを好きになった。でも少女漫画とかで“恋”がどういうものなのかは知識として知っている。今の私の抱いてる気持ちは間違いなく“恋”だ。
会いたくて、いつでもその人の事を考えちゃって、LINEするだけでも嬉しい。
これを“恋”と言わずに何と言うのだろうか。少女漫画を読んでいる時、私何かに恋する時が来るなんてありえないって思ってた。出逢いもなかったし。でも出逢いは突然で、好きになったのもあっという間。もしかしたら出逢ったあの日にもう好きになってたかもしれない。
あんなに優しい人、好きになるなって方が無理だよ。
ねぇモトキ君、好きになってごめんね。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀧(プロフ) - mikaさん» そういうコメントくださると本当嬉しいです、ありがとうございます。私の作品が誰かの需要になってるんだと思うだけで頑張れます。でも最近更新ペース遅くなってすみません…。 (2019年11月12日 0時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 尊い... (2019年11月11日 8時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 更新されないと思ってたら移行してた笑 (2019年11月6日 16時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀧 | 作成日時:2019年10月30日 0時