153.心配と少しの下心 ページ7
マサイside
?……モトキ、何か用事でもあったのかな。
だとしたら悪いことしちまった。
次会った時またお礼言わないと。
急いで帰っていったモトキを不思議に思いながらも俺は寝室に向かった。
マサイ「A…?」
名前を呼んでも返事は返ってこなかった。
近くに寄って顔を覗き込む。
冷えピタが貼られていて穏やかとは言えない寝顔。
…代われるなら代わりてぇよ。
マサイ「熱っ」
頬を撫でると普段よりかなり熱い。
ぺけからきたLINEでは病院に行った時の熱は39度2分だったらしい。
何でこんな時に限って俺Aの側にいなかったんだろう。
マサイ「ごめんな」
汗で湿っている首に触れると、俺の手が冷たかったからかAが目を覚まして、焦点の合っていない目が俺を捉えた。
「……マサイ゛、くん?」
マサイ「ただいま」
「お゛かえり…」
マサイ「声ガラガラ。喋るのも辛いだろ」
すると小さく頷くA。
声出さなくてもいいように頷くか横に振るだけで答えられる質問にしよう。
マサイ「腹減った?」
首を横に振った。
でも薬飲むために少しでも何か腹に入れてた方がいいよな。
マサイ「ごめんな、薬飲むために少しでいいから食お?モトキが雑炊作ってくれたから」
眉間に皺を寄せながらも僅かに頷いてくれた。
すぐに雑炊を温めてくるからと頭を撫でてからキッチンへ。
マサイ「……こんなもんか」
熱すぎても食えないしな。
ぬるめにして、お盆に乗せて寝室に運んだ。
……待てよ、A自分で食えるのか?
マサイ「俺が食べさせようか?」
多分普段の元気なAだったら自分で食べると言って聞かないんだろうけど。
熱で弱ってるから甘えたなのか、Aは頷いて口を小さく開けた。
え、マジで?
マサイ「いいの?」
思わず出た言葉にAは何言ってんだこいつ、みたいな目を俺に向けた。
いやだってOKが出るとは思わないじゃん。
マサイ「じゃあ……あーん」
レンゲに一口分より少なめの雑炊を乗せて、Aの口に運ぶ。
飲み込んだのを確認してから聞いた。
マサイ「美味い?」
「ん」
ちょっと頬を緩めて頷いたAを見て俺も嬉しい。
まあこの雑炊俺が作ったんじゃねぇけど。
本当、モトキには感謝しないとな。
マサイ「ほら、もう一口」
……ヤバい、素直に口を開けて待つAが可愛い。←
なんて口が裂けても言えない。
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www - やっぱいいねー (2019年7月6日 21時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» 昨日モトキメインの小説作りました!よかったら読んでみてください!(*^^*) (2019年7月2日 19時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - モトキメインの小説出来たら教えてくださいね! (2019年7月2日 17時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ムルセンさん» 私もその動画観ました!イケメンですよね(//∇//) (2019年7月1日 17時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ムルセン(プロフ) - さっき笑ってはいけないマサイ観てたんですけどね。やっぱイケメンだなって思ったんですね。 (2019年7月1日 13時) (レス) id: 70acea0c88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年6月19日 0時