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152.どうか、許して ページ6

モトキside



Aちゃんの家のリビングで時々Aちゃんの様子を見ながら時間を潰すこと数時間。

マサイから今からこっち来るってLINEがきた。

それじゃあAちゃんの夜ご飯用の雑炊作って待ってようかな。







雑炊がもうすぐ完成って時に玄関からバタバタって音が聞こえた。

そしたらすぐにリビングのドアがやや乱暴に開かれた。



マサイ「Aは!?」

モトキ「おかえり。寝室で寝てるよ」

マサイ「あ、ただいま」



ドアを乱暴に開けた人物、マサイが息切れさせて開口一番Aちゃんの名前を出した。

挨拶を欠かさない彼が挨拶もそこそこに彼女の名前を呼んだだけでどれくらい心配していたか分かる。



マサイ「モトキ、本当にありがとな」

モトキ「……気にしないでいいよ。俺もAちゃんのこと心配だったし」



マサイが本気でお礼を言ってるのが分かるから、居た堪れない。

俺は風邪で弱ってる彼女に付け込んでやってはいけないことをやってしまった。

とてもじゃないけどマサイに言えない。



モトキ「雑炊、時間見てまた温めてね。マサイも来たし俺は帰るよ」

マサイ「え?そんなすぐ帰んなくても…」

モトキ「Aちゃんも俺がいるよりマサイと2人の方が嬉しいだろうしさ。2人に悪いから」



なんて、そんなのは少しでも早くこの家から出るためのただの言い訳だ。

マサイを前にして罪悪感が沸々と湧いてくる。

俺は逃げることしか考えられない。



マサイ「……そっか。モトキ、Aを1人にしないでくれてありがとう」

モトキ「俺にできることはそれくらいだっただけだからだよ。Aちゃんを病院に連れてったのはぺけたんだし」

マサイ「それでもだよ。本当に助かった。ぺけにもまた直接お礼言わないとな」



一刻も早くこの場所から逃げたい。

こんな、純粋で何も知らないマサイとこれ以上いられない。

……ごめん、マサイ。

直接謝れない臆病な俺を許して。

Aちゃんにもマサイにも嫌われたくない、なんて……我儘だなぁ、俺。

2人とも大切だから、言えない。



モトキ「……それじゃあ、俺帰るから」

マサイ「あ、うん。ありがとうモトキ」



何回お礼言うの。

もう充分だから、お願いだから────









.









────俺に、感謝しないで。

俺ね、最低なんだよ。



モトキ「じゃあね」

マサイ「おう、またな」



荷物を持って、俺は逃げるようにAちゃんの家を出た。

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www - やっぱいいねー (2019年7月6日 21時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - wwwさん» 昨日モトキメインの小説作りました!よかったら読んでみてください!(*^^*) (2019年7月2日 19時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - モトキメインの小説出来たら教えてくださいね! (2019年7月2日 17時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ムルセンさん» 私もその動画観ました!イケメンですよね(//∇//) (2019年7月1日 17時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ムルセン(プロフ) - さっき笑ってはいけないマサイ観てたんですけどね。やっぱイケメンだなって思ったんですね。 (2019年7月1日 13時) (レス) id: 70acea0c88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月19日 0時

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