151.後悔先に立たず ページ5
モトキside
俺の手は振り払われることはなかった。
手を滑らせて頬を触ると感じたのは熱さと柔らかさ。
モトキ「……後で冷えピタ貼ろうか」
「う゛ん」
モトキ「冷えピタ平気?」
「シルクくんじゃな゛いんだからw冷えピタは平気だよ」
モトキ「冷えピタ“は”?」
「湿布は嫌い゛なの」
そうなんだ、初めて知った。
何が嫌いなんだろう。
「…モトキくん」
モトキ「ん?」
「お腹いっぱい…」
モトキ「そっか。残りは俺が食べるよ」
でも半分は食べてるし、予想以上に食べてるな。
もう1回Aちゃんの頭を撫でて、お盆を回収した。
キッチンで水と薬、冷えピタを持って寝室へ。
まずは冷えピタ。
モトキ「おでこ出してくださーい」
「自分でや゛れるよ…」
モトキ「いいからいいから」
反論する気力もそうないのか、Aちゃんは素直に前髪を退けておでこを出してくれた。
それからは無意識だった。
気が付いたら顔を近付けて、無防備なおでこに唇を押し付けていた。
我に返った時は時既に遅し。
きょとん顔のAちゃんと目が合う。
「ほ?」
普段なら考えられないくらいのマヌケな声に少し笑っちゃった。
…可愛いなぁ。
モトキ「はい貼るよ」
シートを剥がしておでこに冷えピタを貼った。
Aちゃんは未だに目をパチパチさせてるから多分俺がやったことを理解していない。
分からなくていいよ。
むしろ理解してほしくない。
モトキ「それと薬。全部で4錠ね」
「ぅ、うん」
Aちゃんは何事もなかったかのように話す俺を見て首を傾げながらも薬を飲んだ。
よし、もう寝るだけかな。
モトキ「それじゃあ病人は寝てくださいね」
「…眠くな゛い」
モトキ「寝なきゃ治らないよ。マサイに心配かけたくないでしょ?」
「……マサイくん出すのはズルい゛」
モトキ「そうでもしなきゃAちゃん寝ないでしょうが。ほら寝た寝た」
その薄い肩を押してベッドに寝かせた。
何か言いたげは顔をしてるけど、聞いちゃダメだ。
モトキ「俺マサイが来るまでリビングにいるから、何かあったら呼んで」
「……分かった」
モトキ「おやすみ」
「…………ん、お゛やすみ…」
ポンポンと頭を撫でるとすぐに寝息が聞こえてきた。
音を立てないように寝室を出て、その場にしゃがみ込んだ。
モトキ「はあぁぁ……やっちゃった…」
Aちゃん、マサイ、本当にごめん。
俺、最低だ。
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www - やっぱいいねー (2019年7月6日 21時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» 昨日モトキメインの小説作りました!よかったら読んでみてください!(*^^*) (2019年7月2日 19時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - モトキメインの小説出来たら教えてくださいね! (2019年7月2日 17時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ムルセンさん» 私もその動画観ました!イケメンですよね(//∇//) (2019年7月1日 17時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ムルセン(プロフ) - さっき笑ってはいけないマサイ観てたんですけどね。やっぱイケメンだなって思ったんですね。 (2019年7月1日 13時) (レス) id: 70acea0c88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年6月19日 0時