4本の薔薇 IV【Fischer’s】

183.気さくなパピー ページ37

マサイside



午後12時45分。

つまりニューヨークは午後11時45分、あと15分で年明けだ。

俺はAにLINEの無料通話で電話をかけた。

今いるのは俺とシルクとモトキとダーマ。

ぺけは残念がってたけど用事があるから帰って、ダホは爆睡中。



マサイ「もしもーし」

『もしもーし！聞こえてる！？』

マサイ「え、めちゃくちゃ聞こえてるけど」

シルク「何か向こううるさくね？」

モトキ「今どこにいんの？」

『ごめんなんて！？』

モトキ「今どこにいますかー！？」

『ニューヨークのタイムズスクエア前でーす！！人がありえんくらいいて騒いでるから話すなら気持ち大きめの声でお願いします！！』



俺達にはAの声が聞こえてるけどAには普通の声で話すと聞き取りづらいんだろう。

だから話す時はいつもより大きめで話すことに。



ダーマ「お前今1人なの？」

『いやお父さんと来てるんだけど逸れた！』

シルク「何でそこで逸れるんだよw」

マサイ「リズハって方向音痴だったっけ？」

『方向音痴なのは私じゃなくてお父さん！あ、お父さんいた！お父さーん！！あれ！？パピーが気付いてくれない！！』←

モトキ「んっふwww」

シルク「パピーやめろwww」

ダーマ「お前そんなキャラじゃねぇだろうがよwww」

マサイ「ふざけてよくパピーとかパパンとか言ってるらしいよ」←

シルク「何でだよ！www」

『お父さん！逸れないでって言ったのに！』

父『ごめんごめん。あれ、誰かと電話してるのか？』

『あ、Fischer'sの皆と。お父さんも喋る？』



え、まさかの？

俺達が顔を見合わせてるとAのお父さんの声がした。



父『こんばんは。ん？東京だと昼だからこんにちはかな？初めまして、Aの父です』

『お父さんこれ向こうでカメラ回してるから本名言うの控えて』

父『えっ、じゃあ今のはピー音入れるかカットよろしくね！』←

シルク「んんっwwwはい、分かりました！あ、こんにちは！シルクロードです！」

モトキ「モトキです！」

ダーマ「ダーマです」

マサイ「マサイです」

父『あぁマサイくん！久しぶりだね！元気にしてる！？』

マサイ「元気です。お父さんも元気そうですね」



Aのお父さん、前スカイプした時よりテンション高めな気がする。



父『いやぁ相変わらず君は礼儀正しい…ハッ、君にお父さんと呼ばれる筋合いはまだないぞ！』←

『お父さんそれ言いたかっただけでしょ』



まだ、だって。

少し先の未来ならいいのかな。

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