永遠 ページ45
出棺の時。外に出ると親子がたくさんいた。多分、Aさんのファンなんじゃないかって思う。だって大人も小さい子供も泣いてる。ンダホがその人達を見てぽつりと言った。
「見送りに来た人多いね」
「うん……それだけ、Aさんは色んな人に愛されてたんだね」
よく都内から地方まで、色んな場所でサイン会をやっているんだとAさんから聞いた事がある。小さい子供がサインを貰って嬉しそうにしている所を見るのが大好きなんだと、にこにこ笑って話してくれた。
これだけ多くの人に死を悲しんでもらえるのは凄いと思う。これならAさんも寂しくないかな？
────火葬場にやってきた。これで本当に、Aさんとお別れだ。嫌だなぁ。
赤坂さんが俺をAさんの顔の側まで誘導してくれた。棺の窓から覗けば安らかに眠っているAさんの顔。
「……さようなら、Aさん」
もうそれだけしか言えなかった。だって、涙が止まらないんだもん。笑ってお別れできればいいなとか思ってたけど、やっぱり無理だ。
こんな酷い顔でごめんね。俺が泣いてたらAさん困るかな。最後にその顔を目に焼き付けたいのに涙が邪魔してAさんの顔がボヤけて見える。
ねぇ、Aさん。
「いつまでも、愛してるから……っ」
いつになるか分からないけど……いつか、いつか天国に会いに行くよ。だからそれまで待っててね。
骨上げまで1時間くらいかかるらしい。俺は火葬場の人のいないベンチに1人座っていた。皆と喋る気力もなくて1人にしてもらった。
ただボーッとしてると靴の音が聞こえた。そっちの方をノロノロした動きで見ればテレビで見た事のある人だった。
「こんにちは」
「こん、にちは…」
「僕V6の三宅 健っていいます」
「あ、はい、存じてます……」
「たかつき先生の彼氏さんですよね？」
「……いえ、正確に言えば元カレですけど…」
え、何でこの人がこんなところに…？隣座ってもいいかという声に思わず頷けば1人分のスペースを空けて三宅さんは座った。
三宅さんは俺の顔を見て口を開く。
「実は何度かたかつき先生にお会いした事あるんです」
「何でAさんに…？」
「僕NHKの手話の番組に出させて頂いてて……それで企画で全聾の絵本作家さんであるたかつき先生と対談した事があって」
「そうなんですか…」
そういえばこの人、手話ができる人だったな。Aさんとの繋がりが何となく分かった。
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Ria(プロフ) - やばいです…感動ものです……ｸﾞｽｯ、泣いちゃいました…。素敵な作品をありがとうございます…！！ (2020年3月22日 21時) (
レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - 善処さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！(*≧∀≦*) (2019年10月29日 10時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» やっぱりそう思いますよね…分かります。 (2019年10月29日 10時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - danchanさん» 三宅さんが手話ができると知ったので、これは出すしかないと思い、出させていただきました！ (2019年10月29日 10時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ゆりりんさん» 作者も書いてて泣きそうになってました…(´；ω；`) (2019年10月29日 10時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2019年8月9日 0時
