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担当 ページ47

────紹介したい人がいる。


Aさんはそう言って俺をある出版社に連れてきた。Aさんが絵本を出してる出版社らしい。ロビーで待ってると俺達に向かって歩いてくる男性が1人。


目が合うとにこやかに笑って会釈してきたから俺も会釈した。あの人がAさんが俺に紹介したい人かな?



「こんにちは!今日はお忙しい中お越し頂きありがとうございます!」
「こんにちは。いえ、今日は仕事もないですし……」



当たり障りのない会話を交わすとAさんに袖を引かれた。そっちを見るとスケッチブックに文が書かれてた。



《この人、私の担当編集者の赤坂さん》
「絵本作家たかつき ちほの担当をしています、赤坂です。先生からよくモトキさんの事は聞いています」
「モトキです。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!ここで話すのもなんですし、応接室に移動しましょう」



名刺を貰った。Aさんの担当編集者の赤坂さん。30代半ばくらいの、凄いハキハキ喋る人だ。


Aさんの事先生だって。そっか、漫画家とかも先生って呼ばれてるもんね。普段のAさんを知ってるからちょっと違和感がある。


俺とAさんときなこ、それと赤坂さんで応接室に移動した。お茶を持ってくると言って赤坂さんは俺達をソファーに座らせてすぐ出ていっちゃった。



《赤坂さんね、私が絵本作家としてデビューしてからずっと担当してくれてるんだ》
《そうなんだ。だから紹介したかったの?》
《うん。彼氏ができたって伝えたら喜んでくれて、是非紹介してほしいって。モトキ君の事勝手に話しちゃってごめんね》



俺がYouTuberだからだろうか。申し訳なさそうなAさんに俺は気にしてないと伝えた。俺だってメンバーにAさんの事話してたし、責める訳ないのに。


Aさんと筆談しながら待ってるとお茶を3つ持った赤坂さんが戻ってきた。



「お待たせしました!」
「ありがとうございます」
[ありがとう]



俺達の向かいに座った赤坂さんは目を輝かせて話し出した。



「いつもFischer'sさんの動画見させてもらってます!」
「そうなんですか!嬉しいなぁ」
「もう日課なんです!でもまさか担当してる作家さんとお付き合いされてるとは思わなくて、先生に聞いた時は驚きすぎてお茶を吹き出してしまいました」



そう言って赤坂さんはお恥ずかしい、と照れたように笑う。それから赤坂さんは真剣な顔になって俺をしっかりと見た。

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(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月1日 0時

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