当日 ページ36
今日は7月15日。Aさんの誕生日。Aさんを俺の家に呼んだ。それに今日はただ俺の家に来るだけじゃない。初めてのお泊まりも兼ねている。Aさん、もうそろそろ来る頃かな。
日付けが変わった瞬間に誕生日おめでとうってLINEは送った。すぐに返信してくれて嬉しかった。俺が一番に祝えたかな?やっぱり恋人の誕生日は一番に祝いたかったから。
午後6時過ぎ。インターホンが鳴った。急いで出ると初めて俺の家に来た時と同じくらい緊張してるAさんが立っていた。とりあえずAさんときなこを中に入れて、きなこの足を拭く。相変わらずカチコチに緊張してるAさんの肩を軽く叩いた。
[そんな緊張しないでよ]
[だってお泊まり初めてだから……]
お泊まりってだけで顔を赤くしてるAさん可愛いなぁ。お泊まりが初めてじゃなくなったら緊張しなくなるのかな?
固まってるAさんの手を引いてリビングに連れてった。クッションに座らせてAさんに向き直った。喜んでくれるといいな。
ラッピングされた袋を差し出した。ねぇ何でそんなきょとんってしてるの?まさかプレゼント貰えると思ってなかったとか……。うん、Aさんならあり得る。
[私に?]
[うん。誕生日おめでとう]
恐る恐る受け取ったAさんに開けてみていいよって促した。中を見たAさんがどんな反応をするか気になったから。頷いて、丁寧にラッピングを解いていく。取り出した物を見てAさんは目を見開いた。
俺が選んだのは上級者向けの150色入り色鉛筆。Aさんなら使い熟せると思って一番多い150色入りのにした。色鉛筆って案を出したのはシルクだけど。
[こんなにいい物貰っていいの?]
[誕生日なんだから少しでもいい物をあげたかったんだ]
[でも高かったでしょ?]
[値段なんて気にしないで]
正直安くはなかったけど、Aさんが喜ぶ物の方がよかったし。Aさんが喜んでくれるなら値段なんてどうでもいいよ。
ね、と伝えればAさんは少し考えてから顔を上げた。その顔は満面の笑み。
[ありがとう!]
こんなに嬉しそうなありがとうは初めてかも。喜んでくれてよかった。ありがとうシルク。嬉しそうに色鉛筆のケースを撫でるAさんを見るだけで俺の心は穏やかになる。
喜んでくれてありがとう。
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瀧(プロフ) - wwwさん» 作者もです笑 作者の願望が詰まった作品になっております笑笑 (2019年7月18日 22時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
www - ああ、こんな恋したい (2019年7月17日 18時) (レス) id: 423bf3fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ひなさん» そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります(≧∀≦) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - wwwさん» ありがとうございます(*゚▽゚*) (2019年7月4日 14時) (レス) id: 5c3fcd6700 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - この小説好きです。投稿頑張ってください! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 0d818dd5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀧 | 作成日時:2019年7月1日 0時