1話 ページ1
東京、夜。
色んなものに酔いしれる人々が集まる、そんな街。
この街は眠らない。煌びやかなネオンが目に染みた。
風は少しだけ肌寒い。その寒さが彼___花垣武道の心を落ち着かせてくれた。
タイムリープ後から、自分の身の回りの変化が凄まじく、中々現実味が湧かなかったのだ。
ふぅ、と息を吐く。
夏が近づく。
武道にとって夏とは、色んなことがある___嵐、のようなものか。
色んな事がありすぎたのだ。
「こんばんは」
「えっ…こ、こんばんは…?」
彼女との出会いはいきなりだった。
「私は宮内A。よろしく」
「え、えっと…俺は花垣武道、です」
立ち話もなんだから、とAとなるその少女はベンチを指さした。
そのベンチに腰掛けた。
先ほど自販機で買っていたホットコーヒーを差し出され、反射的に受け取ってしまった。
「いや、悪いですよ。俺、払います」
「いいの。これは取引だから」
____取引?
俺は首を傾げる。
「私に教えて欲しいの。佐野万次郎の事、それから東京卍會の事。」
「……えっ?」
彼女の口からその単語が出てくるとは思わず、驚いた。
「な、なんで?」
そもそも、何故俺が東卍と関りがあることを知ってるんだ?
彼女も俺が困惑しているのを察した様で、にっこりと微笑んだ。
「うーん…私は万次郎の…顔見知り?なんだけど。昔、引っ越しちゃってさ。
今万次郎何してんのかなーって思ったの」
____怪しい。怪しすぎる。
「まぁ…怪しいものでは無いよ。これは本当、信じてほしい。
そして私は今の東卍と関わるつもりは無いし、君から聞いたことを他の誰かに言うつもりもない」
夏は俺にとって、嵐だ。
そして、彼女もまた_____夏の一部なのだ。
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皆見恋(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます! (2022年4月17日 22時) (レス) id: 62ed21cecb (このIDを非表示/違反報告)
舞 - めっちゃ雰囲気好きです…!これからも応援してます! (2022年4月16日 23時) (レス) @page3 id: 81f78f6edb (このIDを非表示/違反報告)
皆見恋(プロフ) - 小夜さん» はい!頑張ります‥‥ (2022年4月16日 21時) (レス) @page3 id: 62ed21cecb (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 好きです これからもガンバ。 (2022年4月16日 15時) (レス) @page2 id: 0b993ff198 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年4月15日 21時