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「ばかっ。ばかばかばかやろうっ!」
「おい、ばかって俺…
「違うっ、自分に言ってる」
「はう?なにそれ」
「俺の方がずっーとずっーとずっと前から、ずーっと北山のことが好きだったのにっ。
くそっ。何で先越されんだよっ」
上擦った声で捲し立てながら、更にその手にぎゅうっと力が籠った。
「んあっ、ちょっ苦しっ…
「俺が何年かかっても言えなかったこと、こんな風にサラッと言われちゃってさ…」
いや、全っ然サラッととかじゃないから。
なんならお前よりずっとずっとずーっとジメジメしてきたから。
「結局いつも、北山には敵わないんだ」
声のトーンが下がるのと同時にそっと身体を離されると、藤ヶ谷の両手が俺の頬に添えられる。
その顔はもう般若なんかじゃなかった。
「北山…」
小さく呟きながら、伏し目がちに…俺の口許に視線を落としながら近付いてくる顔は、誰よりもキングで色っぽくて…
あっ、藤ヶ谷ゾーン…
気づいた時にはもう手遅れだった。
動けなくなった俺は、急に気恥ずかしくなり思わず目を瞑る。
「じゃあ初キスは俺から、な?」
「あのっ、ふっ…
発しかけた言葉は、ふわりと重なってきた唇に塞がれる。
「ん、」
淡く重ねるだけの優しいキス。
チュッとリップ音を立て唇だけをそっと離すと、今度は額同士をコツンとくっつけてきた。
ぎゃっ、もうムリっ。心臓が壊れるっ…
「北山?」
「ハァハァ…ッ…な、なに?」
「もういい加減、その可愛さ振り撒くの止めてさ…」
「へ?」
「俺のもんになって。一生大事にするから」
激甘な台詞を投下した藤ヶ谷が、角度を変えながらより深く口付けてくる。
互いを求めキスが止まらなくなった俺達は、磁石みたいにいつまでもくっついていた。
Fin.
※ この後、おまけの「another story」に続きます。20話でみっくんが言っている「横尾さんとの約束」については、そちらでの補足説明とさせて頂きます…。よろしくお願いします。
another story…01 (Side-Y)→←【20】
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mina(プロフ) - たいちゃんらぶさん» こちらこそ、本当にいつもありがとうございます!!過去作品…勢いだけでうおーって書いたのばっかりなんでお恥ずかしい限りです(^_^;) ←今もあんまり変わらないですけどー(笑)不定期更新ですが、これからもよろしくお願いします♪ (2016年9月19日 8時) (レス) id: 6e07e2a12e (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - ゆんみちゅさん» コメントありがとうございます!その様に言って頂けてとても嬉しいです(*´∀`*)ノ 書いてる方も楽しかったですヨ(笑)またほっこりと笑って頂けるような藤北ちゃんが書けたらいいなぁ…と思っていますので、良かったらぜひまたお立ちより下さいね♪ (2016年9月16日 6時) (レス) id: 6e07e2a12e (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - kouseiさん» ありがとうございます!やはり兄組の絡み…特に横北のほっこりした関係はイイですよね( ´艸`) 続きを見たいと言って頂けてとても嬉しいです。また諸々落ち着いたら…(途中のお話がなかなか進まないんですよねぇ… (´・ω・`))考えますね♪ (2016年9月16日 6時) (レス) id: 6e07e2a12e (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - Yuki*さん» ありがとうございます!私も腐っていましたが、最近初めてびーえる漫画なるものを読んでますます腐敗が進んでしまいまして…Yuki*さんとこの可愛い北山さんはまさにドストライクなうなんですよ!ぜひまたその辺を詳しくお話ししたいなぁ〜…と思っとります( ´艸`) (2016年9月16日 6時) (レス) id: 6e07e2a12e (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - らんさん» らんさんも藤北ちゃんのいちゃいちゃシーン、お好きなんですね〜 (*´∀`*)ノ では諸々落ち着いたらまた妄想してみますね♪ (2016年9月16日 6時) (レス) id: 6e07e2a12e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mina | 作成日時:2016年8月19日 11時