治くんは、おさまらん。 (ページ46)

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治くんは、温かさがおさまらん。ページ46

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あれからちょうど一年が経った＿＿＿

私達は3年生になった。

そして、ついに最後の大会.......そう、春高を向かえた。

私達、稲荷崎高校は、
昨年敗北を喫した烏野高校と3回戦で再び当たった。

ギリギリの戦いにはなったものの、
なんとか勝ち、リベンジを果たした。

そして、順調に勝ち上がり、

今年の夏もIHの決勝で当たりまた負けた、佐久早君や小森君率いる井闥山学院とは、また決勝戦で当たった。

全国の決勝では、井闥山以外と当たったことがない。

そんな因縁の対決。結果は＿＿＿＿＿

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『＿＿＿＿優勝、おめでとう、っ！！！』

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私達、稲荷崎高校の勝利だった＿＿＿

稲荷崎高校は長年の夢であった全国制覇を、
ついに.......果たしたのだった。

この頂の景色をこの目に濃く焼き付けたいのに、涙で視界がぼやける。

その後、直ぐに表彰式が行われた。

侑くんはベストセッター賞を。

そして治くんは、佐久早君など全国の灘たるスパイカーを抑え、ベストスパイカー賞を。

それぞれ受け取っていた。

ほんまにこの双子凄すぎるやろ.......。

そんな彼らの笑顔はキラキラと輝いていた。

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その後、帰ってきた皆と喜びを分かち合い、
宿へ帰って、最後のミーティングが執り行われた。

今は3年生から一言ずつメッセージを伝える時間。

普通最後は部長や、そう思ってたのに、何故か最後はマネージャーであるこの私。

大トリは少し荷が重いけど、、、

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『ほんまに皆おめでとう。

あと、こんな最高の景色を私に見せてくれて、ほんまにありがとう.......っ、

最高の3年間を.......ほんまにありがとうっ、！』

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ほんまに最後なんや、そう思ったらまた涙が溢れ出す。

そんな私の胸元に、ぽすっと何かが投げつけられて、急いでそれをキャッチする。

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「気をつけ！礼！！」

「「「3年間ありがとうございました！！」」」

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私に向けられた部員全員の感謝の気持ち。

ふと手元にあるものを見ると、
そこにはメッセージ敷きつめられたバレーボールがあった。

中には既に卒業してしまった北さんなどのものもあって.......そんな嬉しすぎるサプライズに私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。

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後から聞いた話によれば.......
これは治くん提案のサプライズだったらしい。

治くんの私を抱きしる腕の温かさも、
そんな心の温かさも私は一生忘れられんやろう。

治くんは、温かさがおさまらん＿＿＿＿

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